52:風と水の乙女シルフィーネ

レナが目をまたたかせると、その黒い睫毛を撫でるように一陣の風がふわりと吹いた。
風はまるで意思を持っているかのように少女たちの周りをくるくると回り、リリーの翅(ハネ)、スライムのぷるるんボディ、ハマルの耳先、ルーカの金色の髪に触れて揺らしていく。
紫の瞳がやんわりと細められる。

「シルフィーネ。いらっしゃい」

『『『『「!」』』』』

その言葉に応えるように、いたずらな風はひゅっと一瞬強く吹いて、金色の髪を楽しそうに乱した。
サラサラと元通りに収まる黄金の美髪を世の美意識高い系レディが見たら、歯ぎしりしそうである。

レナたちは現在もシルフィーネの姿を見ることが出来なかった。とても残念そうな表情をしている。
いいなぁ…と言わんばかりの視線をたくさん浴びたルーカは苦笑しつつ、目の前の何もない空間に話しかけはじめた。

「……うん…そうなんだ。……貴方の宿り木はそこにあるんだね。…それで…レナ達をここに誘導してきたの?………」

精霊が視えない者にとっては、ちょっとおかしな人にしか見えない。
自分が従魔に話しかける光景も他人からはこう見えているんだろうか?と、レナはぼんやり考えている。

一通りシルフィーネと話したルーカは、精霊の言葉を通訳してレナたちに伝えた。

「やっぱり、彼女はまだ生まれたばかりの若いシルフィーネみたい。
僕が最初に視た”姉”の傷ついたシルフィーネを助けてほしくて、たまたま近くにいた貴方たちについて来たんだって。
この子の宿り木はまだ芽の状態で誰にも発見されていないから、結界が張られていなくて自由に動けるようだよ」

レナたちは目を丸くしている。

「私たちがその木の芽の近くを通ってたって事ですか?
うーん…気付かなかったなぁ…」

「ほんの小さな芽らしいから、仕方ないかも。
…このシルフィーネも穢れの影響を少しだけ受けてる。
でも特別な場所に芽が生えていたから、この程度で済んだんだろうね」

『『とくべつぅーー?』』

スライムたちが、ぷよぷよっ!とルーカの肩に乗って言葉を繰り返す。

「うん。特別。ラビリンス・フォール”青の秘洞”の中らしい。
だから芽が直接穢れを地中から吸い込む事はなかったけれど、外に出てきて、呪われたモンスターに触れてしまって影響を受けたんだね。爪先が黒くなってるんだ」

『…!あそこ、とっても、綺麗だったんだよっ!ルーカ!
…シルフィーネの身体、大丈夫なの?』

『シャボン・フィッシュに気を取られて上ばかり見てたからー、芽に気付かなかったのかなー?んー…』

「ちょっと染まってるだけだから、これくらいなら僕でも浄化できる。
ただ、そうするには…芽(ほんたい)の所に行かなきゃ行けないけど」

ルーカがちらり、とレナを魔眼で視つめた。
ん?と首を傾げた異世界人の幸運さを確認して…これはまた呆れた、というように盛大に苦笑した。

従魔たちはラビリンス・フォール内の青く輝く景色を思い出して、凄かったんだよー!と口々に話し始める。
精霊を心配する小さなモンスターたちに、ルーカは優しく微笑みかけた。
わきに逸れそうになった重要な話をささっと簡潔に伝える。

「この若いシルフィーネも、お姉さんのために今回の呪い事件を解決したいんだって言ってる。
協力してもらおうと思ってるけど…どうだろう?
僕は今までは姉のシルフィーネに宿り木まで誘導されてたんだけど、姿を見せなくなったから道が分からなくてね。
この子は精霊同士で宿り木の場所が分かるみたいだから、手助けしてもらおうかなって。
…あ、お姉さんが姿を見せていないのは、新しい簡易結界が追加で張られたからだそうだよ。
今は街の聖職者さんが常駐していて宿り木を守ってくれているらしいから…まあ動けなくなってても、とりあえず一安心かな。
呪われた動物も狩られているようだし。
この騒動が解決したら、結界の事もなんとか国に伝えたいと思ってる。
…宿り木のある場所はかなり森の奥深くだから、疲れた魔眼でそこまでの道を透視するのはちょっとまだ厳しくて」

「とてもいいと思います。是非、協力をお願いしましょう!
シルフィーネさん…どうもありがとうございます。
ルーカさんは、まず目を完璧に癒してくださいね」

レナは何もない空間に向かって、勘でペコリと頭を下げた。

「ふふっ、シルフィーネはもうちょっと右側だよ?
…じゃあ、この子にも同行してもらおうか。よろしくね。
本体の芽を浄化しておくとなると、ラビリンスに行く必要がある。レナの幸運さに期待したいところかな」

「…だ、大丈夫かなぁ?」

『『きっと大丈夫だよーー!レナ”は”運良いもーーんっ!』』
『ご主人さまが、望むなら。…きっと、幸運の方からやってきてくれる筈なの!』
『またラビリンスにいくの?とっても楽しみですー』

従魔たちがわちゃわちゃとご主人さまに乗っかり、じゃれつき始めた。

…そんなに幸運さんに期待しすぎないであげて欲しい。
幸運さんが張り切りすぎてしまうとレナ達は大抵トラブルに巻き込まれるのだから、ぜひほどほどに…。

とりあえず、一同はこれからラチェリの街に帰り、再びラビリンス・スタンプを押印してもらう事にした。
少し期間をあければ、来訪したことのある者も再度運試しをして良いのである。

呪いのモンスターが冒険者たちに討伐され始めたことで、姉のシルフィーネの穢れの状態もルーカが知るより少しだけ良くなっているらしい。

レナが巨大イノシシを倒す以前から、ルーカはこの森の奥深くでひとりきりで、おかしなモンスターを倒し続けていたそうだ。
モンスターには小細工がされていて、疲労した魔眼では細かな原因まで視通す事は出来なかった。

…帰路の道中に、レナ達は呪われた大ネズミに出くわす。
ジャンプ攻撃してきたネズミに魔剣を深く突き刺したルーカは、バチバチィッ!と思い切り雷を浴びせて骨まで一気に消し炭にしてみせる。
こうすることで、穢れた血が大地に染み込まないのだ。

少しだけ回復した魔眼で犯人の痕跡を確認したルーカ。
“緑髪の男”がどうやら事件に関わっているようだと、皆に告げる。

このような不審者を森で見かけた…という物言いで、冒険者ギルドに報告をすることにした。

***

街に戻る際にはリリーの[幻覚]スキルをルーカに使用して、顔立ちをごく普通の青年のように偽った。
美形すぎて困っちゃう!とはなんともイヤミに聞こえるが、彼の現状を思うと嫉妬の気持ちを抱く気にはとてもなれない。
あえて「フツメンですよ」とアピールするため青ローブのフードをとり、顔をさらしている金色先生。
緊張から青ざめていたが…街の人々が彼を振り返ることもなくことごとくスルーしていたので、終いには感激していた。
ルーカを見つめるレナパーティの視線には同情心があふれている。

「…まあ!貴重な情報の提供、誠にありがとうございます。
犯人らしき者についてはまだ何も情報が寄せられていなくて、本当に困っていたんですよ…。
深緑の髪、とは珍しい色ですね。探しやすいかも。
その者に心当たりがないか、色々な人に聞き込みをしてまわりたいと思います。
重ねて御礼申し上げます」

冒険者ギルドを訪れたレナ達は、ベテランギルド嬢におおよその犯人像を告げた。
またお手柄ね!えらいわー!とキレイに微笑まれて、深く頭を下げられる。
呪われた動物の排除は冒険者たちにより日々成果を上げていたが、それだけたくさんの呪いがばら撒かれているという事でもあり、元凶を何とかしない限り事件は収束しない。
皆、かなり焦っていた。
レナの「森で不審者を見かけた」という証言は実は偽りだったが、ルーカが魔眼で視通した真実でもあるので、ヘタな不審者目撃情報より確実だから許してやってほしい。

ここ数日はギルド内に不自然な列が出来ていない。
ギルド嬢全員が忙しく情報整理に追われていたため、男たちも新人のかわいこちゃんに負担をかけるまいと遠慮したのである。

しかしレナ達がベテランギルド嬢と話していると、あざとい新人ギルド嬢の方から近寄ってきた。

「……先輩!この書類の処理なんですけどぉ…」

急ぎの案件について尋ねるふりをしながらも、彼女の視線は一見フツメンの青ローブに固定されている。たくましい乙女だ。
視つめられたルーカはカチン!!と固まってしまったが、新人ギルド嬢はリリーの[幻覚]+2までもは見破ることが出来なかったようである。
なーんだ、格好似てたのにな…と結構ガッカリした表情を一瞬だけ見せて、あとはおとなしく先輩のアドバイスを聞いていた。
ブワッと鳥肌の立ったルーカの腕をレナは気の毒そうに見ている。

ふと、ベテランギルド嬢が後輩に尋ねた。

「…そういえば。あなた、人の顔を覚えるのが得意だったわよね?
この街中で深緑の髪の男性を見たことは無かったかしら。
もし心当たりがあったら、特徴をなんでも出来るだけ教えて欲しいんだけど…」

「え?深緑の髪、ですか?」

「ええ」

「ええと。心当たりはひとりだけありますよ。
身長180cm、中肉中背、まだ歳若い色白の男性。深緑色の短髪、切れ長の目は藍色にちかい黒でした。黒いローブを着て杖を持っていましたね」

「………!!?そ、その人とはどこで!?」

「街中で数回お話をしたんですよ。あ、声は低めでした。
まだラチェリを訪れたばかりの旅人さんらしくて、食料品店の場所を聞いてきましたよー。すっごくクールな方でしたね」

「…その人の顔立ちはどんな感じ?」

「とても整っていました!」

そういう事らしい。
私の記憶力すごいでしょう!と言いたげなドヤ顔のかわいこちゃんを見つめる先輩、レナ達の視線は非常に生ぬるい。
…いやいや、今回はその面食いな性格が情報取得にとても役立ったのだ。
ここは素直に、彼女のたぐいまれな記憶力に感謝すべきところである。
ちょこっと話しただけの旅人の詳細をここまで覚えているのも才能のうちだろう。
食料品の場所を聞かれた、と発言していたが、おそらく彼女の方からアグレッシブに声をかけていったのだと思われる。

呆れを通り越してもはやおだやかな悟り顔になったベテランギルド嬢は、レナ達に「怪しい者の目撃情報がたった今入りましたので、至急、ギルドから捜索依頼を出すことになると思います」と静かに告げた。
他の冒険者たちを興奮させないよう、かなりの小声だった。

まだ緑髪の男が犯人であると決まった訳ではないので、”容疑者”と話し合いをするために捜索依頼を出すことになるのだろう。
なまじ魔眼により緑髪男が原因だと知るレナ達にとっては歯がゆくもあったが、緑髪だから怪しいという理由だけで捕縛してしまう訳にはいかない。

新人ギルド嬢の思わぬお手柄に「よかったねー」「犯人早く捕まるといいよね」などと明るめな会話をしながら、レナパーティは全員揃っていつもの宿を訪れた。
ラナシュの全ての宿の宿泊料金は一部屋いくら、の計算なので、ルーカ一人が増えても追加料金は取られなかった。

同じ部屋ってちょっとどうなの…?と悩み始めたルーカに、スライム達が『ルーカが一人きりになったらまた運の悪い事が起きるかもしれないじゃーん!』『昨日もみんな一緒に寝たでしょ。今更今更ぁ!』と傷をえぐりながら喝を入れる。
万が一女の子たちにみだらな手出しをしようものなら従魔たち全員にしばかれるし、そもそも現在のルーカ先生に色恋の気など皆無なので安心してほしい。むしろトラウマ真っ最中だ。

そして、日付が変わる頃。
レナ達に押印されたラビリンスのスタンプは、幸運なことに、またも青く輝きだした。
これで明日は全員なかよく”青の秘洞”を訪れることが出来る。

シャワーを浴びてさっぱりした皆はもふもふハマルを枕にして、ベッドに横になった。
さすがに宿屋内でハマルが超巨大化すると床やベッドのスプリングが痛んでしまいかねないので、ロング枕程度の大きさに留めている。

ルーカは瞳をキラキラさせながら手のスタンプを眺めており、レナはそんな彼にやんわりとした声で話しかけた。

「明日のラビリンス・フォールの観光、楽しみですねぇ。
もちろん、シルフィーネの治療が最優先ですけれど。
一面の景色が透き通るような青で、うっとりするくらい綺麗なんですよ」

幼い頃からのルーカの夢。
ーーこの広い世界をすみずみまで冒険して、綺麗な景色をたくさんたくさん見る事。
宮殿の窮屈な部屋に監禁されてひたすら本を眺めていた王子は、今、ようやく夢のスタートラインに立ったのかもしれない。
敵に追われる逃亡道中ではなく、本当の意味での冒険だ。
ラビリンスの話を昼間従魔たちから聞いた彼は、無自覚に、とても羨ましそうな表情をしていたのである。
心の高まりをお見通ししたレナに声をかけられたルーカは、照れ臭そうに、幸せそうに微笑んでいた。

「…バレてた?
うん。”青の秘洞”すっごく楽しみでね、もう、興奮して眠れそうもないくらい…」

「それはいけませんね。健康上よろしくないので、早く身体を休めて下さい。さあ、ハーく~んっ」

『はーい!おおせのままにー、レナ様ー。スキル[快眠]ー』

「……ぐぅ」

無情なものである。
もともとかなり疲れが溜まっていたルーカは昨日の[快眠]だけでは全快しておらず、速攻で寝入ってしまった。
金色の髪に包まれたやすらかな寝顔を眺めて、主従は小さくクスクスと笑い合っている。
サラサラと髪を揺らし始めたいたずらなシルフィーネの風に、しーっ、また明日ね、と口元で人差し指を立てるジェスチャーで伝えて、明日は素敵な思い出が作れたらいいね、と皆に話しかけてレナは眠りについた。

***

青く輝くまるで水面のような天井、そこから差し込む光を反射して輝くシャボン・フィッシュたち。
ここはラビリンス・フォール”青の秘洞”。
草木を揺らすのは、風と水の乙女シルフィーネの息吹。
以前はラビリンス内に風は存在しなかったのだが、乙女の宿り木が芽生えたことで自然の要素が増えたようだ。
フィッシュたちは群れで楽しそうに風に流されながら、ときに流れとは逆方向に力強く泳ぎ遊んでいる。
風圧に負けてパチン!パチン!とはじけてみせると、空間全体にキラキラの雨を降らせていった。
あまりの美しさに、全員が頬を高揚させてうっとりと景色に魅入っている。

「…ああ、いけないいけない。
早くシルフィーネの宿り木の浄化をしてあげなくちゃね」

風、というより乙女の指先で頬をぷにっとつつかれたルーカが、ハッとしたように呟いた。
しかしその声はまだ夢の中にいるようにぼんやりとしている。よほど感動したのだろう。

『『宿り木の芽、どーーこだっ?』』
「こっちだよ」

先導するルーカ先生に全員がぞろぞろとついて歩く。
彼らの目先の丈の高い草は風によりかき分けられていって一本の道ができており、まるで「早く見つけて!」と言わんばかりだ。

「これかな」
「わあ…!」

普通ならまずお目にかかれないであろう、”乙女の宿り木”の芽。
その木の幹になる枝の部分はなめらかな純白で、水色、青、黄緑、緑のとても小さな葉を10枚ほど付けていた。
葉そのものが、ラビリンスの影響もあるのだろうが眩しくきらめいている。

『…綺麗、だねぇー』
『ねー。これだけで一つのアクセサリーみたいだー』

「ふふっ、確かに。トイリアで見かけた宝石を寄せ集めたブローチと見た目が似ているかもしれないねぇ。よく覚えてたね」

レナ達は、葉がまるで宝石みたいに綺麗!と賞賛していたのだが…まだ世間知らずのシルフィーネにはその例えはピンとこなかったらしく「不思議そうな顔してるよ?」とルーカが笑って伝えた。

一人きりでけっこうな戦力強化をしていたルーカ先生は、そっと芽の根元に触れると、光魔法の[浄化(パージ)]を唱える。
光の輪が木の芽を中心に上から下にくぐり抜けるように動き、パッ!と強く輝いて消えていった。
これで、ひとまずの浄化は完了らしい。

「ーーどういたしまして」

ルーカは何もない空間に向かって笑顔を向けている。シルフィーネが彼にお礼を言ったらしい。
またも、みんなから「いいなー!」と言わんばかりの視線を集めることになってしまった。
ちょっと困ったように微笑みながらルーカは風の乙女とひそひそ会話を続けている。

「…貴方たちにもシルフィーネが見えるようになるかもしれない。その可能性がある方法をみつけた。…って言ったら、乗る?」

「えっ、本当ですか!ぜひ、会ってみたいですー!」

レナさんは思わず速攻で反応してしまった。

「言質はいただきました」

「……んっ!?」

雲行きがあやしい。

「リリー…先輩?」

『はーーいっ!なに、なに?…ふふふ、新たなる後輩よ!』

ルーカは何やら楽しそうな企み顔で、もう一人の乙女・ダークフェアリーと二人でこしょこしょ耳打ちしあっている。
…あ。リリーもにんまりした顔になった。いや、恍惚と言った方がより近い。

▽レナは ビビっている!

「待って待って待って…。な、なんですか…!?」

「えっとね?
シルフィーネが穢れの影響を受けたのって、加護範囲の土壌が呪いで汚染されたことが大きいんだよ。
だから、吸い込むものによって身体に影響が出る、と考えることが出来るよね。
つまり…シルフィーネの姿を認識したいなら、レナの血液を乙女の宿り木に吸わせれば何かしらの変化があるんじゃないかな?と思って。
うまくすればそれだけで従魔たちにも見えるようになるかもしれない。
シルフィーネは了承してるよ」

「血液…。ああ…あの、それって…おそらくそこそこ量の吸血が必要…?」

ご主人さまの華奢な肩がポンッと背後から叩かれる。

『…まかせてなの!痛くしないから♡』

いや、リリーの[吸血]はいつも結構痛い。
しかし、シルフィーネの姿を見られるかも!と焚き付けられたスライムとハマルも期待した目で主人を上目遣いに見ている。かわいい!

▽親バカレナは 逃げられない!

『いっただーきまーす♡』

「あーーーッ」

レナの白い首筋には小さな牙が刺さった後が赤く残った。
リリーがどのようにして口に含んだ血液を木の芽に吸わせたのかは…乙女の名誉のために伏せておこう。

レナと従魔たちが目を瞬かせる。

木の芽の真上にはうっすらと、ヴェールを思わせる半透明な白色がやわらかく浮かび上がる。
ひらり、ひらりと遊ぶように白色は揺れて、鮮やかな若葉色がその上に混じっていった。
細い絹糸のような若葉の髪の毛は目を奪われるほど美しく繊細だ。
髪の所々を可憐な白い生花が飾っている。
ラビリンスの水面の天井を思わせる青の瞳が楽しそうに弧を描いて。小さな少女たちを映し出した。

長い手足を存分にいかして空中宙返りをきめた風と水の乙女シルフィーネは、メゾソプラノの声で歌うように話した。

『こんにちはぁーー♪ せかいに 愛された おんなのこ♪』

▽野生の シルフィーネが あらわれた!

 

 

 

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