36:事件がいっぱい

アリスのお屋敷で久しぶりにのんびりとした時間を過ごしたレナ達は、お宿♡に帰ってきて大きなベッドの上でくつろいでいた。
お風呂に入ってさっぱりしたし、お腹は満たされているし、就寝時間には少し早かったが皆ウトウトしている。
スライムとハマルはもう魔物の姿に戻っていた。
ヒト型のリリーの髪を丁寧にとかしてやったレナは、彼女と共にぽふっとゴールデンもふもふにうもれる。

「ふあぁー…。
明日はまた冒険者ギルドに行って、なにか新しいクエストを受けようか?
採取系のクエストにして…もしお花の種も見つかったら、パトリシアちゃんへのお土産にしてもいいよねー」

「パトリシア、喜ぶと思うよー!
それなら…モンスターフラワーじゃなくて、普通の、お花の種がいい…?」

「そうだね」

『…むにゃー…。
それならー、草原の片隅にある湿地帯のお花はどうー?レナ様ー。
菖蒲(しょうぶ)とかー、ワサビの花とか見たことあるよ』

「ワサビ…!
すごく欲しい…けど、ああ、お米とお醤油と魚が恋しくなるなぁ…!」

『おや、お魚釣りとかしちゃう系ー?』
『クーとイズも協力しちゃうよぉー?』
『『疑似餌(ぎじえ)だね!!』』

「やだやだやだやだ…。
危ないし、二人が飲み込まれてもし消化されちゃったら、私号泣するからね?
自分の身体は大切にしましょうっ」

『『ああーーん!
ご主人さまぁ、お優しいぃーー!』』

「ぷふっ!?ぷ、ぷよぷよしている…」

『『ナイスバディでしょぉーー?
やーーーん♡』』

▽スライムたちの 愛情たっぷりぷよぷよアタック!
▽レナの 顔面に クリティカルヒット!
▽レナは ボディの感触を 楽しんでいる。

イズミはほんのりと冷たくて、クレハはあったかい。
交代で瞼の上に乗せると、レナの目の疲れはぐんぐんとれていった。
そして、心地よさにますます眠くなったようだ。
身体が寝る準備に入ったようで、彼女の手はもうポカポカしている。

お利口さんな従魔たちはご主人さまの命令がなくても空気を読んで自ら動けるので、全員でアイコンタクトをとり、寝かしつけてあげる事にした。

「クスクスッ…おやすみなさい、ご主人さまっ」
『レナ様ー、貴方のためのもふもふですので、存分にお使い下さいねー。おやすみー』
『『また明日遊ぼうねっ、レナー!』』

「んん、皆おやすみぃー…。
今日も、私といてくれてありがとうねー…」

おや。あまりに眠かったのか、ご主人はつい、水くさい本音を漏らしてしまったようである。

従属を受け入れた魔物が主人とともにいるのは当然なのだが、レナにとっては、それは当たり前の事では無かった。
優しくて強い魔物たちが、ちっぽけで力を持たないヒト族の少女に好意を持ち、寄り添ってくれているのは特別幸運なのだと感じて、日々感謝していたのだ。

唐突に贈られた「ありがとう」の言葉に従魔たちは目を丸くすると、好き!の気持ちを込めてぎゅーーっと主人にくっつく。
彼女はくすぐったそうに笑って、「大好き」と呟いて目を閉じた。

『…スキル[快眠]、スキル[周辺効果]ー』

ハマルのスキルにより、主人と先輩従魔たちはストンと幸せな眠りに落とされる。
今日もたくさん歩いて、色んな人と話して、お花を創ったりもして。驚きも楽しい事もいっぱいだった。よく眠れるだろう。

『いい夢が見れますようにー』

夢に関するスキルを持っていないハマルだが、彼とご主人さまが望めば、これから関連したスキルが取得されるかもしれない。
全員を鮮やかに寝かしつけたゴールデンシープは、自らも眠ろうと、夜空のような藍色の瞳を閉じた。

……そのタイミングで、部屋には騒がしいノック音が響く。

コンコンコンッ!と、若干荒っぽく叩かれる扉を気にかけて、眠りかけだったゴールデンシープが不愉快そうに眉根を顰(しか)め瞬きをする。
気だるそうに上体を少し起こした。

ルルゥなら、このように大きな音を立てない。
もし不審者を通してしまったのなら、オーナー淫魔に文句を言ってやらねばと考えて、ハマルは来訪者に返事をするため、自分の頭のみをヒト化させる。
夜分に寝室を訪れる非常識者のために、眠ったご主人たちをわざわざ起こすつもりは毛頭無かった。

ハマルの見た目はバランスの悪いスフィンクスのようになっている。

「…もしオーナーに鍵を渡された人ならー、入ってきていいよ?
静かにねー。
何か小細工しようとしたら、すぐ潰(ツブ)す…」

最後はドスの効いた声で、念を押す。
廊下にいる相手がビクッと反応したのが、扉越しに伝わってきた。

「し、失礼しまーっす…」

及び腰で、音を立てないようゆーっくり入室してきたのは、少年のような女の子、パトリシアだった。

「潰(ツブ)す」という行為がいざとなればガチで行われる事をよく知っている彼女は、ハマルさんに敬語を使っている。
すんませんっした…と、頭を下げて小声で謝った。

訪問者が主人の友達だったことでハマルも安心したのか、威圧を止めて警戒を解く。
場の空気が軽くなって、パトリシアはふーーっ、と長く息を吐いた。

「…あいかわらずアンタは怒ると特にこえーなぁ。
ごめんな、もう皆寝てたのか。
レナ達…起きてないみたいで良かったよ」

「んー…今日はレナ様疲れてたみたいだからー、早めに寝てもらったんだー。
モスラのお屋敷まで歩くのも、結構遠かったしー。
あと…話し疲れ?
久しぶりの女子トークではしゃいじゃったって、言ってたよー」

「おー。
アレは…その、いいもんだよな。
なんか気恥ずかしかったけど。
可愛い子たちと花の話する日が来るなんて、思いもしなかったぜ。はははっ!」

「レナ様と先輩たち起こしたら貴方でも許さないからー」

「すんませんっ…!」

パトリシアは鳥肌の立った腕を寒そうにさすっている。肝を冷やしたらしい。
彼女の笑い声は基本的に豪快なので、よく響くのだ。

シープスフィンクスがふいに、こてん、と小首をかしげる。不気味なのでやめて欲しい。

「…それで、どーしたのー?
なにか理由があって来たんでしょー。
ボクに言ってみる…?
急ぎじゃないなら、明日ご主人さまが起きてから直接言ってくれると助かるけどー」

「あ、ああ。うん。
皆が無事で安心した…何事も無かったなら、それで良いんだ。
要件は、明日レナに伝えよっかな」

「そうー」

…”何事かが起こっている可能性があった”から、パトリシアは友人を心配して、夜にもかかわらずお宿♡に駆けつけた…という事なのだろうか。
ハマルはピクリと眉を動かしたが、まあ本人が明日話すと言っているし、自分たちには実際何も起こっていなかったので、あまり気にしない事にしたようだ。
お宿♡のセキュリティをある程度信頼もしている。
先ほど疑ったばかりではあるが、あのオーナー淫魔はとても強い者だと、心眼を持つリリーが従魔たちに告げていたのだ。
強い力を持つ者ほど、魂が輝いているらしい。
魂も善良寄りのようだし、お客に紛れて侵入し妙なマネをする不審者がいれば、自ら排除しにかかるだろう。
経営店に愛着もあるようだし、設備の防犯対策もしているはず。

そこまで考えて…ハマルは「ふわあぁ」と大きなあくびをする。
[快眠]スキルは自分にもかかっているので、とても眠いようだ。
今日はもう寝る、と結論を出したことで眠さはピークに来ていた。

さすがに空気を読んだパトリシアが部屋を退室すると声をかけると、シープスフィンクスはそれを却下する。

「だーめ。
こんな夜遅くに貴方を一人で帰しちゃったらー、レナ様にもオーナーにもボクが怒られるもんー。
今日はこの部屋に泊まってってー。
オーナーもそのつもりで間に入らずに、貴方を直接ここに来させたんだと思うからー」

「!!
……ふぅ、色んな人に気遣われてるなー、私。
有難いもんだなぁ」

「うん、気遣ってるよー?
だから貴方もボクを気遣って、早く寝てよねー。
…スキル[体型変化]。
はい、どーぞ」

▽ハマルは 少し 大きくなった!

ゴールデンもふもふの一部が差し出される。
ちょうど頭ひとつぶんのスペースなので、それを枕にして寝て、と言いたいのだろう。
ハマルは軽く瞳を閉じていた。

ベッドにはすでに少女二人とスライムが横になっているが、小柄な彼女たちではそこまで場所をとっておらず、長身のパトリシアも隣で眠る事が出来るだろう。
少し狭くはあるが…まあ全員乙女?だし、密着して寝ていても何も問題はない。

剣士の格好で寝室を訪れていたパトリシアは、重装備をテーブルに置いてシャツとズボンのみの軽装になり、おとなしくベッドの隅で横になる。
[周辺効果]の範囲に入ったことで途端に眠くなったらしく、本格的に眠ってしまう前にと、慌ててハマルに挨拶した。

「ん”んっ…!
今日はアンタの事起こしちまってごめんなー。…おやすみー…」

「はーい。おやすみー」

咳払いが実に漢(オトコ)らしくて、残念乙女なパトリシア嬢である…。
眠気と戦いながらギリギリで起きていた2人は、ストンと心地よい眠りに落ちて行った。

***

翌朝。
一番に目を覚ましたのは、珍しくもレナさんだった。
彼女が特に疲れている様だったので、主人贔屓のハマルが[快眠]を重ねがけしていたのである。
より深く眠る事ができていたようだ。

妙に身動きが取れないな、と思ったレナが周りをくるりと見渡すと、いつも通り正面から抱きついて寝ているリリーはともかく、背中にはなぜか少年娘が張り付いて寝ている。

「………。何事…?」

彼女の夜中の訪問を知らないレナは、首をかしげた。
混乱していたが…とりあえず、喉が渇いていたので水を飲もうと、上体を起こ…せない。

パトリシア(ギフト:剛腕☆3)の腕ががっちりとレナのお腹あたりに回されているのである。
非力なレナでは、腕を振りほどける筈も無かった。
原因のパトリシアは随分深く眠っているようで、「ぐぅぐぅ」と寝息が聞こえている。

まだ誰も起きておらず、そして身動きもできない。
そんな状態の時に限って、トイレに行きたくなってくるものだ。

耐えかねたレナは仕方なく、ベッドに備え付けてある淫魔の呼び鈴(ベル)を鳴らす。

「はいはーーいっ♡
おっはよー、朝からお呼びかしらぁぁははははははははははははははッ!!!
レ、レナが美少女と美少年、侍(はべ)らせてるぅぅ」

…しばらくして駆けつけくれた淫魔ルルゥの腹筋が崩壊した。

***

まさかの淫魔爆笑事件だったが、その笑い声により寝ていた全員が起きて、レナさんは無事にトイレに行けたので結果オーライである。
影を背負ってしまったパトリシアをルルゥがあわてて慰めているが、目がまだ半笑いだ。
言っておくと、パトリシアの眠る姿は睫毛(まつげ)の長い美少年、起きたら目つきの鋭い兄ちゃん、戦う姿は狂戦士(バーサーカー)である。
失言のフォローとして、剣士の格好してたからそれっぽくて!とか言っていたが、お花屋さんエプロンの下も似たようなシャツとズボン姿なので、たいして説得力が無い。

ごまかすように運ばれてきたサービス♡の朝ごはんを頂きながら、レナは友人に訪問の理由について尋ねた。

「何事も無くて良かった、って言ったよね…?
どういう心当たりがあったのか、教えてくれる?」

「ん。
…ちょっと嫌な話になるぜ。
…昨日私が家に帰ったらさー、家の花壇が荒らされてたんだ。
花飾り鉢もぐちゃぐちゃにされててさ…。くそっ、思い出しただけで腹が立つなッ!
それで、玄関扉には赤の塗料で”スチュアート家に関わるな”って書かれてたんだよ。
それって絶対、アリス・スチュアートの事だろう…?
私達があの子の家に行った所を見ててこんな嫌がらせをしてきたのなら、レナ達も危ないと思って。
夜だったけど…心配になって来ちまったんだよ。
ルルゥのお宿♡なら防犯対策もしっかりしてるのは知ってたけど、宿に着くまでに何かあったらって、気になってさー」

「……そんな事が!?ひどい…。
心配してくれてありがとう、パトリシアちゃん。
お花、残念だったね…。
…もう、犯人は凄く最低な人だね!大切な花壇を荒らすなんて。
アリスちゃんは大丈夫かな。
今日、また訪問してみる?」

「私はそのつもりだった。
レナ達も一緒に行ってくれるなら、心強いよ」

「うん!行こう…!」

『『よっしゃー!犯人探してしばき倒そうぜーー!』』
『モスラも、アリスも、大切な友達だもんねっ。守らなきゃ』
『んー。プチッと潰(ツブ)そうー』

皆、パトリシア家の花壇を荒らした犯人をシメる気合い十分のようである!
彼女らの友人アリスを狙った犯行を企てた馬鹿者には合掌しておく。
きっとそのうち、恐ろしい事が起こるのだろう。
どちらに対して恐ろしいのかは、お察しである。

アリスの住む高級住宅街は夜になると国派遣の警備員がパトロールをしているし、お屋敷の門も立派だったので侵入の心配はしていないが、何か彼女の心を傷つける事が起きていないだろうか…。
レナは少々表情を曇らせながら、手早く出かける準備を済ませると、アリスのお屋敷へと向かった。

***

短期間に二度目のアポ無し訪問を受けたアリスは、不思議そうに目をパチパチと瞬かせながらも、レナ達をあたたかく迎え入れてくれる。
お屋敷の門や壁への落書きなども見られず、アリス本人も元気な様子で、お姉さん達はとりあえずホッと息をついた。

家主に進められるまま皆でティーテーブルに着き、春限定フレーバーのストロベリーティーを頂く。
部屋に甘い香りがふんわりと立ち込めると、蝶々たちが心地よさそうにひらひら舞った。
彼女らは、花や果実の甘い香りが大好きなのだ。

一息ついた所で、パトリシアが昨夜自宅の花壇が荒らされていた事を話す。
扉に書かれた言葉を告げた所で、アリスは小さく眉を顰(ひそ)めた。
…無理もない。
誰だって不愉快に思うだろう。

アリスはまず口を挟まずにパトリシアの話を全て聞き、そのあと花壇などの状況を詳しく聞いて、お姉さんに対して深く頭を下げる。

「私の事情に巻き込んでしまって、ごめんなさい。
ーー今のタイミングで嫌がらせをしてくる相手の心当たりとなると、お爺さんの息子さん達くらいだけど、それが正解なんだと思う。
…パトリシアお姉ちゃん、花壇の修理代は、せめて私に払わせて下さい。
本当にごめんなさい…。
息子さんたち、私が出て行かなくていい加減痺れを切らしてるみたいなの。
昨日の手紙もそうとう怒ってる文面だったし。
私が商業試験に受かって成人並みの実力があると認められたら、まだお爺さん名義になってる私宛の遺産の全てが”アリスの財産”として名義変更されてしまうから。
焦ってるんだと思う。
今までは、知らない大人が門の外からお屋敷を見て威圧してたりはしたけど…それくらいだったの。
でも昨日はね、何人かの大柄な人たちが夜に門を蹴ってて。
…凄い音がしてて、怖かった…。
警備員さんがすぐ駆けつけてくれたけど、もう、私は外に出て行けなかったよ。
きっと、息子さんたちが誰かを雇って嫌がらせしてきたんだと思う。
心配して来てくれてありがとう。
…でも、今の私に関わると、お姉ちゃんたちもきっと危ないよ?」

アリスはそう言いきると苦笑して、不安げに揺れる瞳でレナ達をぼんやり見つめた。
ティーカップに添えられた小さな手は、力が込められているのか白くなっている。
きっと、後に続く言葉は「もう関わらない方がいい」の一言だったのだろう。
しかし、それを口にした瞬間涙ぐんでしまいそうだったので、アリスは一呼吸置いたのだった。

彼女は、孤独な少女である。
お屋敷で高度な交渉術を熱心に学び、外に出る時にはいつも顧客である大人たちに囲まれていたアリス。友人と呼べる者など、蝶々以外いなかったのだ。
ようやく出会えた楽しく話せる相手をこのような理由で手放すのは、辛いのだろう。
気丈に振舞ってはいるものの、まだ幼い女の子なのである。

アリスの、自我を無理やり抑え込んだような不安定な表情を見て、パトリシアとレナはチラリとお互いの瞳を見やった。
そこに映っているのは、アリスと同じく乙女友達のいなかった”ぼっち”な自分自身である。
ここにいる3名は、皆よく似ているのだ。
それを自覚して、おかしそうに笑った。

「…ふふっ!
じゃあ、そんな悪い人達にはお仕置きしなきゃね…?
お姉ちゃんたちに任せてっ。
アリスちゃん、お屋敷から出るのはまだ怖いだろうし、しばらく私がご飯を作りに通うよ。
もうすぐ解体を頼んでた虎肉の受け取り日だし。
熟成肉にしてもらってるから、ステーキパーティしよう?
うふふー、きっと美味しいはず!」

「花壇の弁償とかは気にすんなって。荒らした本人に責任取らせるからさァ…。
それよりもアリス、しばらく花職人雇うつもりない?
庭の整備も、護衛も、撃退もまかせとけ。
おまけに、新種の花を誰よりも早く見れるっていうオマケ付きだぞ!
どーよ、お得だろー?」

明るい笑い声と共に告げられた「頼っていいよ」という意味の込められた言葉に、アリスは目を真ん丸くしている。
やがて、じんわりと涙がにじんできた。

「………!!
…お姉ちゃんたち…。いいの?
まだ、私と仲良くしてくれるの…?」

▽幼女の うるうる涙目上目遣い!
▽レナとパトリシアに クリティカルヒット!

いや、こんな場面でこんなノリで失礼。
幼女の上目遣いの効果があまりに凄まじかったのだ。
お姉ちゃんたちは彼女につられて涙目になり、馬鹿者(むすこ)への怒りを燃え上がらせている。

せっかく縁あって友達になれたのだから。
可愛い妹を絶対助ける、と姉2人はお互いに誓い合ったらしい。目つきが格段にキリリとしている。

話は済んだらしいと察したリリーがモスラと一緒にやってきて、レナの肩にとまり、アリスを見つめながら可憐な妖精の姿に変身してみせた。

「わっ!」

アリスはもちろん驚いて、美しい王族候補のフェアリーをまじまじと見つめている。
フェアリーは楽しそうに笑うと、モスラと一度目を合わせて、レナに何やらこしょこしょっと耳打ちした。
モスラはふわりと舞い上がり、アリスの頭の上に乗る。
…ご主人さまが、何やら覚悟を決めた表情になった。

蝶々同士で話し合いも既に済んでいるらしい。
モスラが願い、リリーがそれを望むなら。
レナは、アリスのためにも、己の特別な能力を使うことを惜しまない。

鞭をぎゅっと握りしめて、アリスに満面の笑みを向け、レナは爆弾を投下した。

「アリスちゃん。
可能性がある、と思って聞いてね。
モスラを魔物にクラスチェンジさせてみない?」

最高の護衛を育てよう。

▽Next!モスラは魔物になれるのか?

 

 

 

 

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