レア・クラスチェンジ!

〜魔物使いちゃんとレア従魔の異世界ゆる旅!〜

「ここどこ…?」普通の女子高生レナが迷いこんだのは異世界ラナシュ。はじまりの草原にしてはえぐい魔物たちのいる場所で、ボロ鞭をもち、魔物使いとしてやっていけ!と放り出された。泣きべそをかきながらもスライムをテイム、レアクラスチェンジを果たして、自分の力が魔物を必ず希少種族にするのだと知る。──可愛くて愉快でつよーい!魔物たちとゆくどたばたゆる旅の始まり。

【TOブックス様から書籍6巻発売中!】

(小説家になろう様にて 全話先行掲載)

※2015年にスタートしています。序盤拙いですが、ご了承下さい。

 

  • 1:ここどこ?

    「ここ…どこぉ?」 爽やかな風が吹き抜ける草原。 その片隅にはポツンと少女が立ちぼうけていた。 大きな黒い瞳の可愛らしい顔つき。 編み込んだ細めの三つ編みをたらし、セーラー服を着たごく一般的な女子高生である。 なぜ、そん... 続きを読む

  • 2:君に決めたい!

    レナはギルドで登録をしたあと、なんと草原に舞い戻ってきていた。 本人がそうしたくて戻ってきた訳ではない。仕方なく、である。 魔物使いしか職業適性がないため、レナは、まずテイムをしなければ生活すらままならないのだった。 働... 続きを読む

  • 3:君に決まった!

    ギルド宿舎で簡単なパンとスープの朝食をいただいたレナは、力強い足取りでまた草原へと向かっていく。 (ええい! 今日は今日の風が吹く! もり上がれ私のポジティブ精神!) なかなかつよい。 昨日のモンスターテイムは散々な結果... 続きを読む

  • 4:レベリング……からの?

    「それでは、自己紹介をしてくれるかな」 『『わーい!ぱふぱふー!』』 「どこでそういう言葉を覚えたんだろうね、貴方たちは? お名前をお願いします」 『『ありませーーん!』』 「! そうなの…?」 『モンスターに名前は無い... 続きを読む

  • 5:逃げろー!

    小都市ダナツェラの冒険者ギルドには、粗野で下品な笑い声が響いていた。 声は中年女性のギルド員と政府派遣の門番、いかつい冒険者たちのもの。 ぎゃはぎゃはッ、とうるさく騒いでいる。 ここに昨日訪れた、やたらか弱そうな少女が話... 続きを読む

  • 6:セカンドテイム

    小都市ダナツェラを囲うように広がる草原は、夜になり不気味に静まり返っていた。 昼よりも、こっそり静かに活動するモンスターが多いらしい。 辺りはなんとかギリギリ動けるくらいの薄暗闇で、あと数刻もすれば、完全に真っ暗になって... 続きを読む

  • 7:金色モンスター?

    「ぐあああぁー……!」 『大丈夫レナーー!?』 『くそー、なんて姑息なやつなんだ金色! まさか精神攻撃でレナの自滅を誘うだなんて』 『……許さない』 自分のムチを頭に当ててしまい、悶絶しているレナ。 とりあえず原因の金色... 続きを読む

  • 8:ギルドカードを知ろう

    レナたち一行は薄暗い森を慎重に進んでいる。 新しく仲間に加わったルーカが敵モンスターを確実に発見していってくれるため、以前に比べて、だいぶ安心して歩けるようになっていた。 彼の道案内は正しい意思に基づいたものか、逐一リリ... 続きを読む

  • 9:進化レベリング

    「じゃあ、あの棘(トゲ)ネズミを倒してみようか。 スキルは[ニードルボディ]と[毒刺]持ち、ギフトはなし。 ネズミの毒程度なら従魔のスライムには効かないし、血中に毒は無いから、リリーも安心して[吸血]できるね。 レベルは... 続きを読む

  • 10:夜番

    リリーを挟んで、ルーカとレナが向かい合って立っている。 これからフェアリー・コントラクトで逃亡協定を結ぶのだ。 妖精にしか聞こえない声で、歌うように呪文を唱えるリリー。すると、皆をすっぽり覆ってしまうほど大きな、ドーム型... 続きを読む

  • 11:テレパシー&トレード

    「はー…。”テレパシー”に、”トレード”ですか?」 レナが、こてんと首を傾げて驚きのため息をついた。なにそれ便利そう。 今、彼女たちは数日隠れていた森を出て、ダナツェラ近郊... 続きを読む

  • 12:クマだーーー!

    突然現れた人喰い大クマに向かって、ルーカが瞬時に駆ける。 いつの間にやら隙なく魔剣を鞘から出しており、体勢を低くしながら、真正面からクマに向けて剣をふるった。 「ーーースキル[瞬発]!」 一気に距離をつめ、右手をしならせ... 続きを読む

  • 13:ラビリンス・フォール

    「うわっ」 「ふあっ」 『『きゃーーーっ!?』』 『……んっ!』 森を走行中、突然の浮遊感に襲われた一行は、よくわからない穴の中でよくわからないフワフワに埋れていた。 随分長く落ちていた気がしたけれど…ナナメ上を見てみる... 続きを読む

  • 14:偽装工作

    ラビリンス・フォールから出たレナたちは、目の前の変わり果てた森の姿に戦慄していた。 ザッと血の気が引いた顔で、頬を引きつらせながら互いに視線を交わらせる。 「…穴にオチて良かった…!」 皆の顔に、そう書かれていた。 森は... 続きを読む

  • 15:罠…!

    レナたちが偽装工作を施してから数日が経っていた。 順調に森を進んで、国境に近い2つ目の村付近まで来ている。 もちろん、これから村の中に入るような迂闊な事はしない。 1つ目の村には王国軍が張り込んでいたので、この村も同じよ... 続きを読む

  • 16:国境門

    「さすがに、国境の門は立派なものだね」 「ですねぇ…。 周りの壁も高くて、不正に乗り越えるのはとても無理そうです…正面から行くしかないかな」 『門番の人たち、目つきがイヤらしくてなーんか嫌な感じよねーっ?』 『やーーん!... 続きを読む

  • 17:羊モンスターを探そう

    アンポンたちの太くてたくましい足が、緑豊かな大地をしっかりと踏みしめる。 一歩進むたび、ようやく国から逃亡できた安堵感で崩れ落ちそうになるのを、なんとかこらえながら歩いていた。 青い空からそそぐ光がやけに優しくて、泣きそ... 続きを読む

  • 18:モンスターテイム3

    「さあ…狩りのお時間です!」 ヒツジがぐっすり眠っている間に、仕留める準備はバッチリ整った。 あれ? テイムの趣旨をおもいきり間違えた発言をかましているレナさん。 しかし、今回はこれでいいのである。 レナが悪役じみた立ち... 続きを読む

  • 19:別れとレベリングとご飯

    [身体能力補正]スキルを持ち主に返還したことで、妖精契約は終わったとみなされ、レナとルーカの2つ目の手首の百合印も消えた。 お別れの時が近づいてきている…。 レナたちが、ルーカに丁寧に頭を下げた。 「いろいろと、本当にあ... 続きを読む

  • 20:村へ

    レナたちは様々な食材を集めつつ、のんびり旅を続けていた。 たまに草原脇の林にも入って、木の実集めもしている。 食べて大丈夫な食材かは、【状態異常耐性】持ちのスライムがまず[溶解]してみることで確認していた。 毒があればピ... 続きを読む

  • 21:一般常識を学ぼう!

    生鮮食品店主の女性は、アイシャと名乗った。 レナとハマルは、偽名でクリスとハルと名乗っておく。 村人たちは日中は畑仕事にせいを出しているようで、特に誰かに絡んで来られることもなかった。 何事もなく、アイシャの家に無事たど... 続きを読む

  • 22:強欲な王族たち/小都市トイリアへ

    「ねぇ、お父様。お母様。 …まだお義兄さまを探すのですか? ここまで見つからないと、もう生存は絶望的ではありませんか。 最初に探していたジュエルスライムも、人喰い大クマに襲われていたのでしょう? お義兄さまとて同じなので... 続きを読む

  • 23:冒険者ギルドとお宿♡

    トイリアの入口門から5分ほど大通りを歩くと、ごつい男たちで賑わう冒険者ギルドが見えてくる。 とても大きな建物だ。 正面扉はつねに開けられており、開放的な雰囲気。 今は夕方なので、クエストを終えた人々が集まっているのだろう... 続きを読む

  • 24:初クエスト

    淫魔のお宿♡のサービスはとても素晴らしかった。 各部屋に備え付けられたバスルーム、共同で使えるキッチン、とても寝心地のいいベッド。 おまけに部屋の防音性も高くて、宿泊料金は格安。 …これらを一度体験してしまうと、もう普通... 続きを読む

  • 25:初クエスト2

    スライム達が!次から次へと毒キノコを駆逐していくッ! 凄まじい速さで原木の上を移動し、表面を舐めるようにしてマッシュルームの検分を終えると、次の木へとすぐさま触手を伸ばす! シュバッ! スタントマンのワイヤーアクションさ... 続きを読む

  • 26:セカンドクエスト

    朝ごはんは野菜とチーズを挟んだ大きめのコッペパン。一人ひとつずつ食べる。 渇いた喉を炭酸水で潤して、主従は見つめ合って幸せそうに笑った。 美味しいごはんを食べると気持ちも明るくなるのだ。 「はい。 皆さんおはようございま... 続きを読む

  • 27:セカンドクエスト2

    「かっこわるい」 「「ぐっはああぁッ!?」」 「壁を汚しておいて掃除もせずに、マリーさんに依頼料金出させるなんて最低」 「くっ……!俺様たちの咎(とが)をとがめようというのか!? …あっ、なんかダジャレになっちゃった」 ... 続きを読む

  • 28:トイリア四日目(従魔視点)

    今回は我ら従魔たちが、ご主人さまについて語って行くよーー! まずは、クーとイズからだねっ。一緒に喋っていくよ。 張り切っていきましょぉーー、ドンドンぱふぱふーーっ♪ んー、クーとイズがレナと出会った時のことから話そうかな... 続きを読む

  • 29:トラだーーーー!

    レナは駆けていた。 今回ばかりはいつものようにドジをして転ぶ訳にもいかない。 背後からは付かず離れずな絶妙な距離を保ちながら、獰猛なサーベルキャットが追いかけて来ているのである。必死で身体のバランスを取りつつ走っていた。... 続きを読む

  • 30:酒場

    目の前には従魔に貼り付かれた少年娘。大きな声で笑う彼女のパーティ。集まる周囲の視線。青ざめるご主人さま。 レナはとてもカオスな場の中心に望まず放り込まれていた。 あわてて、従魔をパトリシアとやらから引っぺがす。 「う、う... 続きを読む

  • 31:お説教

    レナ達とゴルダロパーティの面々は冒険者ギルドから少し離れた小さな公園に来ていた。 パトリシアは今だに青白い顔をしている。 ギルド前では、結局嘔吐してしまっていた。 現在、レナにお説教されているのだが、吐いた嘔吐物を嫌がら... 続きを読む

  • 32:夢

    狩りの成果をたずさえ、パトリシアの自宅に立ち寄ったレナ達。 彼女の実家を見て、その外観の可愛らしさに驚いていた。 家族と住んでいたという一軒家は、当然トイリアらしい白の壁に赤い屋根だが、窓枠にチロリアン模様がペイントされ... 続きを読む

  • 33:花職人

    自宅花まみれ騒動から数日が経ち、パトリシアはようやくパーティメンバーにも本心を打ち明けることが出来た。 花職人に転職したいのだと、盛大に照れながら話す彼女を、パーティ全員があたたかく迎え入れている。 パトリシアが転職を決... 続きを読む

  • 34:品種改良

    ほのかな甘い香りが漂うレンゲの花畑。 紫がかった薄ピンクの花には、小さなマメ蜂がとまって熱心に蜜を集めている。 可憐な花はほとんどが7分咲きで、種が出来ているものはまだ少ないようだ。 レナたちは、ざっくりと花畑全体を見回... 続きを読む

  • 35:可愛いお花を作ろう

    トンデモフラワーをたくさん作り出してしまった翌日。 レナ達とパトリシアは、可愛い花を創るためのアドバイスを求め、とある女の子の元を訪れようとしていた。 彼女らの目の前には、壁に緑のツタを這わせた趣(おもむき)のある大きな... 続きを読む

  • 36:事件がいっぱい

    アリスのお屋敷で久しぶりにのんびりとした時間を過ごしたレナ達は、お宿♡に帰ってきて大きなベッドの上でくつろいでいた。 お風呂に入ってさっぱりしたし、お腹は満たされているし、就寝時間には少し早かったが皆ウトウトしている。 ... 続きを読む

  • 37:おや?モスラの様子が…

    モスラの成長を手助けしようと決めたレナは、魔物になりかけの蝶々がテイム対象になるのか、とりあえず試しに契約スキルを使ってみる事にした。 モスラがレナに従属することになるが、それについてはアリスも同意している。 精神を支配... 続きを読む

  • 38:協力者を探そう

    たくさん食べて急成長を遂げたモスラだが、身体にはやはり相応の負荷がかかっていたらしい。 疲れた顔(リリー談)をしていたため、今はハマルの[快眠]スキルで半ば強制的に寝かしつけられている。 他の全員は大人数掛けのソファに座... 続きを読む

  • 39:モスラレベリング1

    今日はモスラを強化する予定だ。 レナ達は彼を迎えに、アリスのお屋敷へと足早に歩いていく。 道すがら、パトリシアの家にも寄って行く事にした。 彼女は荒らされた花壇や落書きされた扉をそのままにして、レナたちを心配してお宿♡に... 続きを読む

  • 40:モスラレベリング2

    大木の立ち並ぶ森の中を、レナ一行は慎重に進む。 目の届かない頭上からの攻撃を特に警戒していた。 索敵要員のリリーはとても優秀だが、一人で全方位をまんべんなく確認することは出来ない。 彼女に全てを任せ切るのではなく、レナた... 続きを読む

  • 41:悪党たち/パーティ

    「…兄さん、雇った冒険者たちからの通信だよ」 「なんだ!? また、妙な視線を屋敷から感じるとでも言って来たのか…? ふん! せっかくガタイのいい厳つい大男ばかりを雇っているのに、全員がそんな理由で怖気づいているとはなァ。... 続きを読む

  • 42:夜のお屋敷

    賑やかな仮装焼肉パーティがアリス邸宅で催されてから、1週間が過ぎた。 スチュアートのお屋敷前には、未だかつてない大人数の荒くれ者たちが集合している。 月明かりが、彼らの険しい顔をぼんやりと映し出している。 「……いいか。... 続きを読む

  • 43:夜のお屋敷2

    「ちぃッ!小娘は…この先か?」 アリスの部屋はお屋敷の2階、廊下の真ん中くらいの位置にあったため、悪党たちは左と右どちらにアリスが逃げたのかと目を凝らしている。 スチュアート邸は2階建て。 とは言っても天井が高く、それぞ... 続きを読む

  • 44:フィナーレ1

    「ううぅ、やっぱり緊張しちゃうね…。 私のこの格好、大丈夫?変?」 「「すっごーーく、変!それにとってもこわーーい!」」 「うん、暗闇で見たら気絶しちゃうかも。威圧感もすごく出てるよー、お姉ちゃん。 その一番恐い顔の仮面... 続きを読む

  • 45:フィナーレ2

    ギガントバタフライの姿を隠し、仕掛けの騒がしい音やシミール匂いを周囲に拡散させないために、現在のスチュアート邸宅と門周りにはドーム型の強力な結界が張られている。 結界担当はジーンとルルーだ。 ルルーがジーンに対して魔法強... 続きを読む

  • 46:宴のあと

    少女たちと従魔は現在、スチュアート邸の広いキッチンでわいわいと朝食を作っている。 「出来上がるまでロビーでくつろいでお待ち下さいね」と、丁寧に家主におもてなしされてしまったトイリア領主とアネース王国商業ギルド総括の2人は... 続きを読む

  • 47:旅立ち

    レナ達はなんだかんだと理由を付けて、小都市トイリアにズルズル滞在し続けていた。 もともと短期滞在のつもりで訪れた街だが、環境があまりにも快適すぎたのだ。 本日もルルゥのお宿♡から冒険者ギルドに向かい、軽めの依頼をこなした... 続きを読む

  • 48:隣町ラチェリ<ラビリンス:青の秘洞>

    見渡すかぎりの景色全てが、涼しげな青色(ブルー)の光を浴びている。 レナがすぅっ、と息を吸うと、澄みわたった空気が身体に入り込んできた。とても気持ちがいい…思わずにっこりと目を細める。 風も無いのに揺れている足元の草花も... 続きを読む

  • 49:遭遇

    ラチェリの生鮮食品店では、ストックを切らしていた牛乳とパン、葉野菜をいくつか購入した。 別の瓶詰めソース専門店では、トマトソースの瓶と、オイルサーディン(鰯の油漬け)の瓶を3つづつ購入する。 ラナシュには固形スープの素が... 続きを読む

  • 50:呪い

    ラチェリの街に帰ると、レナ達は真っ先に冒険者ギルドへと向かった。 相変わらず列が出来ている新人ギルド嬢のところには並ばず、昨日モンスター図鑑を貸してくれたベテラン嬢のカウンターに直行する。 「ん?あら、いらっしゃい、お嬢... 続きを読む

  • 51:金色モンスター再び

    かがやく金色の髪はつややかに濡れており、束になった毛先から水滴がポタポタと落ちては、泉に波紋を広げている。 シャツはぽいっと岩の上に雑に脱ぎ捨てられており、あらわになった白い素肌が暗闇に美しく映えていた。 ちなみに下はち... 続きを読む

  • 52:風と水の乙女シルフィーネ

    レナが目をまたたかせると、その黒い睫毛を撫でるように一陣の風がふわりと吹いた。 風はまるで意思を持っているかのように少女たちの周りをくるくると回り、リリーの翅(ハネ)、スライムのぷるるんボディ、ハマルの耳先、ルーカの金色... 続きを読む

  • 53:話し合い

    従魔たちで美形慣れしていたレナも、当の従魔たちも、精霊シルフィーネの輝かんばかりの美しさにすっかり魅了されている。 単純に容姿が美しいというだけではなく、精霊の神々しいオーラのようなものを本能で感じ取っていた。 ラナシュ... 続きを読む

  • 54:共闘

    森の奥から姿を現した呪われ鹿たちは赤く淀(よど)んだ目をレナパーティに向けた。 身体の表面には粘り気のある黒いドロがこびり付いており、所々の毛皮が溶けて薄ピンクの肉をさらしている。 息を吐くたびに、半開きの口からはなんと... 続きを読む

  • 55:話し合い2

    ラビリンス”青の秘洞”を訪れたのは、もう三度目。 レナもようやくラビリンスの穴を落ちていく時の浮遊感に慣れてきた。 青く美しい景色に心を癒されつつ、一同は乙女の宿り木の元へと迷いなく向かう。 ルー... 続きを読む

  • 56:精霊結界の元へ

    ラチェリの街の入り口付近には冒険者たちが集っていた。 ギルド長、新人ギルド嬢、高位冒険者、索敵の得意な下位冒険者、そして皆が待ちに待っていた国属高位魔法使いたち。 選り抜きの精鋭で、姉シルフィーネの宿り木の元へこれから向... 続きを読む

  • 57:ドラゴンと呪術師

    イケメン呪術師をしばくため、冒険者たちは渾身の遠距離攻撃をしかける。 戦士の[斬撃波]、槍使いの[遠槍]、武芸家の[投擲]チャクラム、格闘家の[回転棍]、弓使いの[風弓]、魔法剣士の[雷剣]…… ラチェリの街まで届くほど... 続きを読む

  • 58:女王様のご回答

    「ずいぶん勝手な要望ばかり突きつけてくるのね。 私を側に置きたい? この場を収めたいなら一緒について来い? ふざけないで。 まず…貴方は勘違いをしているわ。 私はね、誰かの手中に収められる側の人間ではないの。 私のそばに... 続きを読む

  • 59:決着

    レナを守り、鼓舞するようにかがやく風が吹く、それは必然。 赤き衣を纏いし女王様が、悪を裁く、それは運命。 呪術師の手を焦がした熱は、黒い魂を持つ者にのみに効果を発揮するとても特別なもの。 白手袋の内側の皮膚さえも「無礼者... 続きを読む

  • 60:報告

    レナは落ち着いた様子で静かに言葉をつむぎ、精霊との出会いについてゆっくり語っていく。 詳しく知られてはマズイ部分などは適度に作り話を混ぜておいた。 <ラビリンス:青の秘洞>を訪れた際に、意図せず、小さな乙女の宿り木に出会... 続きを読む

  • 61:悪党への制裁

        夜も近くなったラチェリの森の奥深くには、大木に背を預けて荒く息を吐くひとりの青年がいた。 真っ暗のローブのフードを目深に被っており、短く整えられた深緑の髪と端正な顔立ちは隠されている。 片膝を... 続きを読む

  • 62:レア・クラスチェンジ!

    呪術師イヴァン、そしてドラゴンと死闘を繰り広げた翌日。 疲れきっていたレナたちは、1日中のんびりと宿に引きこもって過ごした。 従魔たちのクラスチェンジは気になっていたが、宿の部屋でうっかり巨大モンスターなどに変化してしま... 続きを読む

  • 63:精霊との戯れ

    ラチェリのラビリンス<青の秘洞>。 久しぶりにそこを訪れたレナたちは、唖然と立ち尽くしていた。 『みんな いらっしゃーーい♪ようこそー』 『素敵に模様替えできてるでしょう? 私とシルフィネシアのアイデアをいっぱい詰めこん... 続きを読む

  • 64:夢喰い

    昼間の賑やかさも次第におちついてきて、穏やかな夜のとばりがラチェリの街に下りてくる。 昔から受け継がれてきた伝統的な街並みが、それぞれの軒先に飾られたランタンの光にぼんやりと照らし出されている。 ラチェリの夜街は薄暗く、... 続きを読む

  • 65:精霊祭

    今日は、アネース王国民が待ちに待った精霊祭! 空は雲ひとつない快晴。 精霊たちが姿を現すかも、という噂に、国中の人が期待に満ちた明るい顔をしている。 街の随所にカラフルなタペストリーが飾られており、風にはためいている。 ... 続きを読む

  • 66:アリスとモスラと精霊と

    トイリア高級住宅街に佇むスチュアート邸には悪党が入りこんだ時を除いて、いつも静かで穏やかな時間が流れている。 それは、騒がしく賑やかな精霊祭の当日でもまるで同じ。 木の葉の擦れる穏やかな音、小鳥のささやかなさえずりの声し... 続きを読む

  • 67:旅立ち

    精霊祭も無事に終わり、レナたちは2日後にラチェリの街を発つことになった。 どうして2日後なのかと言えば、お祭りの屋台群に興奮したレナがついつい食べ過ぎてしまい、翌日はお腹を壊してぐったりと寝こんでいたからである。 過ぎた... 続きを読む

  • 68:港街グレンツェ・ミレー

    足元の白い石畳、白い建物が太陽の光をまぶしく反射している。 少し遠くに見える海は爽やかな青で、港街全体を眺めるとラビリンス<青の秘洞>によく似た色合いだなぁ、とレナは早くも懐かしさを感じていた。 ここは港街グレンツェ・ミ... 続きを読む

  • 69:思わぬ再会

    「ちょっ…お兄さん達、どうか頭を上げて下さい!すごく目立ってますからね!?」 「「女王様は目立つべき存在ですから問題ありません、ご安心下さいませぇ!」」 何を安心しろというのか。 双子の最敬礼がいつまでも収まる様子がなか... 続きを読む

  • 70:甲板にて

    航海2日目の昼間、空は快晴。 レナとルーカは船の甲板(かんぱん)で見つめ合っている。 従魔たちは双子のエルフ・ライアン&オーウェンと船内でおてだまをして遊んでいた。ジャグリングの要領でスライムジェルをくるくる放り... 続きを読む

  • 71:海上の戦い

    甲板(かんぱん)には続々とイカモンスターが釣り上げられている。 攻撃を加えられた後なのでぐったりと伸びており、白く丸々とした腹を晒して、あとは保管庫に運ばれるのを待つのみだ。 まだ息があるモンスターには、船上で待機してい... 続きを読む

  • 72:お説教1

    部屋に戻ってきたレナは称号を解除して、重い重ーいため息をついた。幼い従魔たちとルーカは苦笑している。モスラは主人のため息の理由についていまいちピンと来ないようで、首を傾げていた。パトリシアは相変わらず口元を押さえてぐった... 続きを読む

  • 73:お説教2

    「………ふう。行ったみたいだな」 レナを片腕でたやすく拘束したパトリシアが、ノック音の聞こえなくなった扉を見つめて、ふん、と鼻を鳴らす。 ドンドンドン!と騒がしく鳴っていた音の代わりに、バタバタとどこかに走り去る足音がほ... 続きを読む

  • 74:お説教3

    「届け物はこれで最後になる」 神妙な面持ちのパトリシアが、レナに可愛らしい紙袋を差し出した。 なんとなく緊張しながらそれを受け取ったレナ。 「……中身を尋ねても……?」 「下着」 答えはすぐ返ってくる。ああ、下着か。確か... 続きを読む

  • 75:フルコース

    主人の進路の邪魔にならないよう斜め前方に足を進めたモスラが、食堂の扉を開ける。 目の前に現れた赤い道を見て、レナはびくっと動きを止めた。 レッドカーペット……だと?なぜ?嫌な予感が足をすくませる。 レッドカーペットの上を... 続きを読む

  • 76:スチュアート邸・それぞれの旅立ち

    夜のトイリアの街に漆黒の巨大蝶々がひそやかに影を落とす。 高級住宅街、スチュアート邸の真上に来ると、モスラは魔人族に変身した。 パトリシアが放り投げたロング丈バスローブをさっと纏って、相棒を抱えて屋敷の屋上に降り立つ。 ... 続きを読む

  • 77:その頃、ガララージュレ王国1

    ガララージュレ王国の聖職官長執務室。 きっちりと種類を分けて重ねられた書類の山に埋もれるようにして、疲労で痛む目をこすりながらペンを走らせ、男性が机に向かっていた。 長い紫髪を三つ編みにしている彼の名前はモレック・ブラッ... 続きを読む

  • 78:その頃、ガララージュレ王国2

    シェラトニカに呼び出されたモレックとイヴァンが王宮の回廊を歩いていく。 足取りはやる気なく、ダラダラとしている。 「なぜ、こんなに早く俺の居場所が分かった? 毎度毎度、迷惑だ」 このセリフはもちろんイヴァン。いい加減にし... 続きを読む

  • 79:その頃、ガララージュレ王国3

    まだ朝早く人通りの少ない街を、ローブのフードを目深に被った人物二人が歩いていく。 ここはディルツガ公国内に最近作られたばかりの新しい街だ。 賭博場(カジノ)による集客を図った、公国の試験街とでも言えようか。 真新しい建物... 続きを読む

  • 80:レナパーティ珍道中

    ジーニアレス大陸にたどり着いたレナたちは、港街グレンツェ・ジーニで旅支度を整え、魔王国を目指して再び歩み始めた。 ジーニアレス大陸は場所によって年中猛暑だったり、凍える寒さだったり、かなり土地のクセが強いが、この港街から... 続きを読む

  • 81:遭遇

    比較的規模の大きい宿場街近くの林で、一夜を明かしたレナたち。 今日も快晴で気分がいいなぁ、と鼻歌を歌いながら朝食の準備をする。 炙った燻製肉と薄切りチーズを挟んだサンドイッチ。 二日前のパンは少し硬かったので、こちらもク... 続きを読む

  • 82:ウサギの目覚め

    レナたちが保護したステップラビットが目覚めたのは、夕方だった。 元主人に邪険に扱われ、元々かなり疲労が溜まっていたところに、ハマルの[快眠]スキルで深く寝かしつけられてため、ピクリとも動かずに今まで眠りこけていたのだ。 ... 続きを読む

  • 83:説得

    レナたちの「仲間になろうよ」という申し出を拒絶したウサギは、再び[快眠]スキルで強制的に寝かしつけられた。 別室に移動したレナ、イズミ、ルーカがふぅ、とため息を吐く。 「なかなか、思ったように心を開いてくれませんねぇ……... 続きを読む

  • 84:物理説得

    ベッドの上で、フェアリーとウサギがお互いをがつがつ蹴り合いながら、口喧嘩している。 倒れてしまわないよう、座り込んで両足で蹴り合っているので、なんだか絵面がマヌケである。 しかし、双方の表情は乙女にあるまじき形相だ。メル... 続きを読む

  • 85:物理説得

    「さあ。特訓(ブートキャンプ)を始めましょう」 人気のない森林の広場で、ごくりと生唾を飲み込むレナたち。 視線の先にいるルーカ先生は、とても爽やかな微笑みを浮かべている。不安しかない。 レナたちが保護した強情ウサギが、つ... 続きを読む

  • 86:ブートキャンプ2

    森林公園のなかで、幼児たちがウサギを追いかけ回す。 ウサギの同意を(事後承諾)得ているので、けして動物虐待ではないと言っておこう。過酷な状況ではあるが、これは強くなるための訓練なのだ。 ジャングルジムの中を、ウサギが縦横... 続きを読む

  • 87:ブートキャンプ3

    公園で特訓を行うこと数日、レナたちそれぞれの潜在能力は十分に高まった。 そろそろ実戦で経験を積み、レベルアップしよう! ▽レベルを上げて スキル取得を目指そう! 公園に関しては、スマホアプリ[アルバム]内の、”空間”とい... 続きを読む

  • 88:ケジメ1

    ルーカが魔眼を発動させ、宿屋の中から周辺を探索する。 探している人物は……ステップラビットの元主人、召喚術士の少年だ。 彼はレナたちと遭遇してからも、あまり遠くに移動せず、ひとつ手前の宿場町に宿をとって召喚獣のレベリング... 続きを読む

  • 89:ケジメ2

    クラウドフォックスとウサギの視線が交わる。 フォックスは獲物を捉えるためにウサギに焦点を合わせていたが、そこに感情は見られない。 反対に、ウサギの瞳には燃えさかる炎のごとき熱がこもっている。 煌々と赤く輝く瞳がスッと逸れ... 続きを読む

  • 90:ケジメ3

    ウサギに胸を蹴られ、絶対に勝てると思っていた戦闘に負けた少年はぎゅっと口を引き結んで、膝と喉を震わせていた。 ウサギの蹴る力が予想外に強かったため胸がじんじんと痛みを訴えている。自分はウサギのこの力を、魔物使いの時に生か... 続きを読む

  • 91:ケジメ・ファイナル

    尻もちをついて唖然とした顔をしている少年。 少年の真正面にまた戻ってきたウサギは後ろ脚で立ち上がると、スッと目を細めて、くいっくいっと下方から手招き、挑発する。 口が引き結ばれているが、この仕草にセリフを付け加えるなら『... 続きを読む

  • 92:別れと成長

    ステップラビットとレナパーティの戦闘後、騒ぎをききつけたギルド関係者たちが様子を見に来た。 ステップラビットが無事にレナにテイムされたと聞いて、とある受付嬢は胸をなでおろしていたが、広場で野生の魔物とのモンスターテイム戦... 続きを読む

  • 93:閑話:幻黒竜の親子

    傷ついた幻黒竜が、ラチェリ郊外の森の奥をのそりのそりと鈍い足取りで徘徊している。 尻尾を含めない頭胴長が約12メートルはあろうかという、巨大な個体だ。 太陽の光を吸い込んでしまうほど黒い身体は、ところどころ分厚いウロコが... 続きを読む

  • 94:魔王国へ

    港街グレンツェ・ジーニから魔王国までを繋ぐ幅の広い国道。 その終着地点で立ち止まったとある冒険者たち。 ヒト族二人、スライムが二体、蝶々、ヒツジ、ウサギの魔物。少女の懐の中には異世界の意思ある機械、スマホが収められている... 続きを読む

  • 95:魔王国へ2

    「故郷の”赤の伝説”を布教するために、時々正体を明かしつつ教祖自らが旅をしている……のでしたっけ。レナ様の変身の瞬間を目にした者の元には、幸運が訪れるとか? あやからせて頂きたいものです」 「違い... 続きを読む

  • 96:魔王国へ3

    「僕は今はただの一旅人ですが、数ヶ月前までは、ガララージュレ王国の第一王子でした。地位の低い側室の子だったので、王位継承権はありませんでしたが。 ガララージュレ王国では、金髪と紫眼を受け継いで生まれた者のみが、王子もしく... 続きを読む

  • 97:魔王国のお宿♡

    魔王国の王都はとにかく広い。 案内所で無料で配られる地図には観光名所などが描かれているが、豆粒のような文字だ。 その代わり、街のいたるところに案内板が設置され、周辺の店などを詳細に表している。 広大な王都を移動するのは、... 続きを読む

  • 98:新種族・検証

    レナパーティが魔王国を訪れた目的は、従魔たちの服飾保存ブレスレットを買うため。 このブレスレットは主に魔人族たちが使う魔道具。 ヒト型の時の服装を数パターン、ブレスレットに記録させておくと、魔物型からヒト型に変化した時の... 続きを読む

  • 99:訪問者

    「……お客様はもうお休み中ですわ。受付(チェックイン)終了後の面会の申し出はご遠慮頂いております。 いかに貴方様とはいえ、特別扱いはできかねます。ここは私たち淫魔の誇り高きお宿♡ですもの。ルールに倣って頂かなくては。 ど... 続きを読む

  • 100:契約?

    「オズワルドはデス・ケルベロスと、我が妻、巨人族の女傑ツェルガガの子だ。 ……ん? 何か物言いたげな顔をしているな。 なぜ子がブラックドッグなのか知りたいか。そうか! 説明してやろう! ヒト族には、魔人族の交配について知... 続きを読む

  • 101:訪問者2

    静かに怒りのオーラを放出する美しい淫魔ネレネを、レナが冷や汗を流しながら微妙な笑顔で眺めている。 そして視線を移すと、魔王の息子オズワルドが尻尾に鼻先をうずめながら、ジロッとレナを上目遣いに見上げてきた。 どうしたものか... 続きを読む

  • 102:オズとの会話

    ハマルに[快眠]させられたオズワルドは、かなり深く寝入ってしまい夕方まで起きなかった。 ルーカが体調を覗き視したところ、オズワルドは不眠ぎみで、疲れがたまっていたよう。 ピクリとも動かず、くてっと横になっていたので、レナ... 続きを読む

  • 103:歓迎会

    ほんのり薄暗くなった、にぎやかな食材街をレナたちが歩いていく。 レナとルーカで小さな魔物たちを抱えていて、オズワルドはヒト型で2人の少し後ろを歩いていた。 「魔人族が魔物の姿で街を歩くことは推奨されてない。 デカくて邪魔... 続きを読む

  • 104:パフォーマンス1

    オズワルドが仲間入りした翌日、レナたちは魔王国内にある自然鍛錬場を訪れた。 王都の中にある結界で隔離された森林地帯が、国営の訓練場として開放されているのだ。 内部には攻撃を当てるためのカカシや魔法の大岩、落とし穴などの罠... 続きを読む

  • 105:パフォーマンス2

    クレハとイズミがやけにキレッキレのダンスを披露したのは、オズワルドの派手な戦闘を見て『『自分たちだって!』』と、魔物らしい戦闘意欲を刺激されたから。 スライムボディがギラギラと輝きを増している。 『『スライム勝利のダンス... 続きを読む

  • 106:閑話:リリーとスマホ(逃亡道中)

    ☆☆☆ 小さなナイトバタフライのリリーには気になる物がある。 ご主人さまであるレナがたまに操作している、四角い魔道具。 スマホというらしい。 たまーにだが、アレに、魂の輝きによく似た光がチラチラと灯るのだ。それが……とっ... 続きを読む

  • 107:打ち合わせ

    レナたちが自然訓練場を訪れた翌日、オズワルドはなんとも言えない微妙そうな表情で目覚めた。 『……。…………ーーなんか……戦闘した疲れとかはなくて、身体はラクなんだけど』 『うんうんー。[快眠]のおかげでー?』 『……』 ... 続きを読む

  • 108:モスラ降臨

    今日は久しぶりにモスラと再会する日である。 レナたちは、シヴァガン王国から6キロほど離れた森林を訪れていた。 大きな木を目印に、巨大ハマルに乗って移動していく。 目的地に着くと、森の中心部が開けている。 まあるく、平原の... 続きを読む

  • 109:ちょこっとお話

    シヴァガン王国に向かう道中に、レナたちはざっくりと話を済ませておくことにした。 縮こまって冷や汗を流すレナに対して、アリスが大人びた苦笑を向ける。 「別に……頭ごなしに叱りつけようってわけじゃないんだから。 レナお姉ちゃ... 続きを読む

  • 110:魔王国空便

    レナたちが目指しているブレスレット専門店は、高級店街の一角にあるらしい。 現在地からはかなり遠いので、シヴァ空便を使うことにした。 魔王国の国境検問の近くには、駅ターミナルのタクシーよろしくたくさんの翼を持った魔物が空カ... 続きを読む

  • 111:ブレスレットを買おう1

    「ここだね!」 「お、おっきぃーー……! それに豪華な佇まい。こ、ここここに入るんだね?」 「うん。レナお姉ちゃん緊張しすぎ。 ”アンベリール・ブレスレット”トイリアのお得意様のオススメ店なの」 レナたちの目の前には、明... 続きを読む

  • 112:ブレスレットを買おう2

    全員のブレスレットが決まったので、枠と宝石が接着されることになった。 数が多いので、小人(ピピット)族テグリピピッタと、妖精族クールのふたりがかりで作業を始める。 「あ、あわわわわ私が妖精族クール、です……お客様。よろし... 続きを読む

  • 113:散策

    高級店街のカフェでリッチなアフタヌーンティーを楽しんだレナたちは、その足で近隣を散策中。 ウィンドウショッピングを楽しんでいる。 アンベリール・ブレスレットは破格の高級店だったので外からは商品が見れなかったが、他の店舗は... 続きを読む

  • 114:赤の祝福装備

    爽やかな朝。淫魔ネレネのお宿♡の一室で、ゆっくりと青の瞳が開かれた。 オレンジがかった金髪の幼女、アリスはパーティの誰よりも早く目覚めたようだ。 身じろぎすると、隣で寝ているリリーの腕が絡みついてきてやんわり拘束される。... 続きを読む

  • 115:朝練

    朝の爽やかな空気の中、レナパーティは早起きして自然訓練場を訪れていた。 夜行性の魔人族が利用することもあるので、この施設は24時間営業なのだ。 みずみずしい芝生に立ち、モスラが一礼する。 「訓練相手の申し出、誠にありがと... 続きを読む

  • 116:鍛治工房へ行こう!

    アリスとモスラの魔王国滞在3日目。 朝練を済まし、本日向かう先はドワーフ鍛治工房イーべルアーニャ。 冒険者用の高級装備を多数作っているということで、レナたちも一緒に訪れる事にした。 鍛冶屋街の近くまでは、ワイバーン・ラギ... 続きを読む

  • 117:とんでもないものを手に入れてしまいました

    お宿♡に帰ると、ルーカに従魔たちが群がった。なぜか? 「ルカにゃん! ネコミミくすぐりの刑!」 レナがびしっとルーカを指差してそう言ったからだ。 イタズラ盛りの幼い従魔たちは大喜び! まとわりついて手を引き背中を押し、ど... 続きを読む

  • 118:トラブルの本気

    漆黒の靄(もや)の中から、ブラウンの髪が時たまチラリと覗く。 「闇魔法[透明化]」 様々な人物の夢の中を、この靄は音も移動していった。 朗々と、内部の人物が晶文(しょうぶん)を口にする。 「その目が映す世界、その鼻が嗅い... 続きを読む

  • 119:説明責任

    レナたちの前で強制最敬礼させられたグルニカは腰の骨が? 折れてしまい、立ったまま身体を真半分に折りたたんでいる状態。 みんなが顔を引きつらせたが、それは勢いよく謝罪した(させた)サディス宰相も同じこと。 目元がひくっと小... 続きを読む

  • 120:説明責任2

    レナが金属球について、詳細に話していく。 デモンズレストランの個室には今や、光魔法[サンクチュアリ]の堅牢な結界が張られていた。 グルニカは絶賛気絶中だ。 ひとつ重要な情報を説明するたびに、宰相の眉間のシワが増え、眉が顰... 続きを読む

  • 121:説明責任3

    「情報の提供は、御断り致します」 「ひどーーい! アタシも当事者なのにぃーー!」 「そ う で す ね。……ですので、後ほど相応の処罰を下します。今の内から覚悟しておきなさい、グルニカ。 それでは皆様、退室しましょう」 ... 続きを読む

  • 122:服飾商店街ショッピング1

    「オズくん。白炎の力が出始めたよね。まだ影響が小さいうちに、扱う練習をしておかない? 聖霊が力を取り戻した時には、もっと白炎が強力になるだろうから。もし暴走したら大変だよ」 「……分かった。必要なことだと思うから、練習す... 続きを読む

  • 123:服飾商店街ショッピング3

    商店街の大通りに並ぶショップはどこも玄関扉が開かれていて、店内の商品がよく見えるようにレイアウトされていた。 しかし、レナたちが訪れようとしている、細い路地にひっそり佇む服飾小物店[エルフィナリー・メイド]は、玄関扉が閉... 続きを読む

  • 124:宝飾店メディチ

    本日の訪問先は、フェアリー宝飾店メディチ。 レナ、リリー、ルーカ、スマホ、アリス、モスラは早朝にお出かけ準備を終えて、お宿♡のエントランスでマリアベルを待っている。 他のみんなは、まだ部屋でのんびりと眠っている。レナたち... 続きを読む

  • 125:宝飾店メディチ2

    「今回はシンプルなペンダントトップを作ります。 柔金属に、大粒の天然石を埋め込むデザインにしましょう。 石はどれになさいますか?」 クリエが作業机の引き出しをひとつ開けると、小さな仕切りの中に、大粒の天然石がたくさん収め... 続きを読む

  • 126:たまにはちょっぴり喧嘩する

    「みんないい子にしてるかな? 基本的に全員一緒に行動するから、長く離れたのって初めてかも」 みんなで宝飾店メディチからお宿♡に帰る道中、レナがしんみりと呟く。 「そうだね。ここから[遠視]も出来なくはないけど」 「自重し... 続きを読む

  • 127:大悪魔マモンとの会合へ

    アリスとモスラがいつも以上にきっちりと出かけ支度をしている。 髪を整髪オイルでセットして、一際上質な服を身に纏い、服に負けないくらい自信に溢れた笑顔も鏡に向かってテストした。 「うん! これなら好印象を持ってもらえるはず... 続きを読む

  • 128:大悪魔マモンとの会合へ2

    応接間の中は驚くほど広々としている。 天井は高く、大きな窓から柔らかい日光が差し込んでいる。 丸みがある独特な部屋の形は、礼拝堂を彷彿とさせた。 気持ちを落ち着ける効果があるブルーホワイト大理石の床を、アリスとモスラがま... 続きを読む

  • 129:送別会(仮装パーティ)1

    お宿♡のオーナー・ネレネが所有する広場に、今宵は大きな黒いサーカステントが立てられている。 シヴァガン王国でもなかなか立地が良いこの広場は、ネレネが常連客から貢がれたらしい。 とくに用途がないので普段は子どもの遊び場とし... 続きを読む

  • 130:送別会(仮装パーティ)2

    パーティが始まると、空中に鮮やかな紙吹雪の[幻覚]が現れた! 一定時間ごとに花びら、落葉、星など形を変えて参加者の目を楽しませる。 「魔道具でしょうか? このように不規則に舞う魔法設定は難しいはずですが……」 「私の、ス... 続きを読む

  • 131:送別会(仮装パーティ)3

    祝いの場でのはしゃぎ過ぎを叱られたドグ……ルイスの耳としっぽがしょんぼり萎びている。 オズワルドが初めて見る光景である。 酒が入った大人たちは笑わないように必死だ。 威圧感を抑えているルイスはただの上流階級の子どもにしか... 続きを読む

  • 132:送別会のその後で

    パーティの片付けはホストのレナたちの仕事。 招待客たちはほっこり胸を温めて、帰路につく。 深夜なので道中お気をつけて、とレナが一言添えた。 女性の送迎は男性たちが勤めてくれるし、帰り道で危ない目に遭うことはないだろう。 ... 続きを読む

  • 133:モスラとアリスの旅立ち

    モスラとアリスがアネース王国に帰る日が来た。 レナたちはシヴァガン王国からそれなりに離れた森林を訪れる。 モスラが降臨した時と同じ広場には、レナパーティ、魔術部のケットシーたち、ロベルト、宰相が集まった。 宰相のフットワ... 続きを読む

  • 134:モスラとアリスの旅立ち2

    森林地帯に強風が吹き荒れる! 暗雲が立ち込めて暗くなり、稲妻が空を割るように光ったかと思えば、雷の柱が乱立した。その柱を余裕で避けながら天高く飛んでいくモスラを、レナたちは顔を引きつらせて、ドグマはひどく愉快そうな顔で見... 続きを読む

  • 135:スマホ覚醒

    デス・ケルベロスの三つの口の前に、スマホがウィンドウを展開した。 ドグマがぐあっ! と口を開け、モスラに向かって言葉をかける。 獣の咆哮としか受け取れないはずの音を、辺りにいる誰もが声として理解できた。 『<新種の魔物ギ... 続きを読む

  • 136:▽キラが仲間になった!

    モスラとアリスの見送りを終えて、二人が滞在していた日々を振り返りながら、レナたちとロベルトはちょっぴりしんみりした空気でお宿♡に帰ってきた。なーんちゃって。 「では、皆様の送迎も終わったので私はこれで失礼しますね」 「ご... 続きを読む

  • 137:新しい日々

    フレーバードリンクでキラの従魔進化をささやかに祝ったレナたち。 キラは三分間の実体化を終えると、さすがに疲労したようで、しばらくスリープモードに入った。 これまで睡眠を一切必要としなかったキラは、初めて訪れた眠気に不安そ... 続きを読む

  • 138:獣化訓練

    「ルーカ、オズワルド、ハマル、シュシュ。今この訓練場にいる限り、君たちは生徒で、俺が教官だ。よく話を聞き、真剣に稽古に努めるように。 それでは全員、獣人服に着替えてくれ。 半獣人になると手足の造形が変化するため、普通の服... 続きを読む

  • 139:獣化訓練

    しばらく追いかけっこを続けて、それなりに走れるようになったルーカネコ、シュシュ、ハマル。 ルーカは獣らしい四足歩行をほぼマスターし、それどころか雷を纏って[瞬発][サンクチュアリ]を駆使し、障害物の小岩を粉砕するほどの成... 続きを読む

  • 140:異変

    最近、オズワルドとシュシュがぶつかることが殊更(ことさら)多い。 今朝も口喧嘩して、二人でミルクの飲み比べを始めて、体格差もあり負けてしまったシュシュは荒れていた。 勝ったオズワルドも別に気分が良さそうなわけでもないのに... 続きを読む

  • 141:聖・ジャッジメント(オズワルドの道)

    シュシュとオズワルドは自分の意識の中をさまよう。 これまで生きてきた思い出のあれこれが、やんわりと意識をかすめていった。 温かな思い出をつい目で追ってしまい、手を伸ばしかけて、ふいに現れる自分にとって思い出したくない過去... 続きを読む

  • 142:聖・ジャッジメント(シュシュの道)

    シュシュの道は障害の多い、曲がりくねった愛の棘(イバラ)道。 白い小石がそこかしこに転がっているデコボコした道を、半獣人の足で歩いていく。道の両脇には棘の多い野薔薇が咲いていた。 野薔薇のツルが道に這っているという状況を... 続きを読む

  • 143:本気の戦闘ッ!

    シュシュとオズワルドはまず接近戦から始める。 今回の戦闘の目的は「全力のぶつかり合い」なのだ。 ちまちま遠距離攻撃するより、拳で語った方が話が早いと獣の本能で理解していた。 押忍ッッ!! 『[スピン・キック]ぅ!』 『が... 続きを読む

  • 144:従魔の成長

    『『『『<従えてぇーーー!>』』』』 もう無理! レナ様素敵! と先輩従魔からラブコールが飛んでくる。 レナが投げキッスで対応するときゃーーっと歓声が上がった。 シュシュが『愛情の返し方』を学ぶためレナを観察し、護衛部隊... 続きを読む

  • 145:幸運フルパワー

    淫魔ネレネのお宿♡に帰ったレナたちは、さっそくオズワルド進化の祝杯をあげて、みんながより仲良くなったことを喜び合った。 テーブルには豪華な食事が並んでいる。 とっておきの火トカゲ肉のステーキを、オズワルドの青白い炎で炙っ... 続きを読む

  • 146:魔王国依頼クエスト

    サディス宰相が淡々とした口調で、クエストの内容を語る。 「まずレナパーティに依頼する仕事の詳細について。 ラミアの里に向かい、姫君の回復治療の手伝いをして頂きたいのです。 姫君はひと月前から昏睡状態となっています。 ラミ... 続きを読む

  • 147:ラミアの里

    エメラルドドラゴンの飛行は安定しており、驚くべき速度でまっすぐ前に進む。 低空飛行だが、周囲の魔物たちがドラゴンを恐れて避けていくので、左右に進路を変更する必要がない。 風を操っているため、ほとんど羽ばたかずに飛んでいく... 続きを読む

  • 148:ラミア姫の炎上

    「姫さん。シヴァガン王国の人らが来てくれはったよ」 レーヴェが声をかけながら室内に入っていく。ベッドで眠る姫君から返事はない。レーヴェは寂しそうに微笑みながら、かけ布をすべて取って畳む。 「姫さんのお気に入りのブランケッ... 続きを読む

  • 149:ラミア温泉

    ひととおりオズワルドを追いかけ回して満足した様子のキサ。 初恋であり、恋とはどういうものかよく知らないので、とにかく真正面からぶつかっていくスタイルが当分続きそうだ。 レーヴェに促(うなが)されてようやく、はだけていたか... 続きを読む

  • 150:ラミア温泉2

    族長室から出た男性たちは、廊下を歩いて少し遠くで待機していた。 しかしロベルトが現れて、「来客用の温泉を楽しんでくれとのことだ」と告げたので、さらに遠方に進むことになる。 「忘れてた……温泉……ッ!」 ルーカが、(このイ... 続きを読む

  • 151:お呼びでない敵襲

    イヴァンは己の実力をよく知っているゆえに、ゆったりした歩調を崩さない。 たとえ魔王国諜報部とレナの従魔たちの敵意を感じてもだ。 一歩ずつ、足元の白い岩場を踏みしめて近づいてくる。 「…………。…………? 美髪だのカールセ... 続きを読む

  • 152:温泉戦闘

    デザートギルティアと対峙するレナたち。 「ぐあああああ」 「「ご主人様っ!?」」 唐突にレナがうめき声をあげたことにシュシュとリリーが心配の声を上げるが、これは脳内でルーカの不安のアラーム音がけたたましく鳴り響いたためで... 続きを読む

  • 153:温泉戦闘2

    「私たちだって本気で怒ってるんだからね……。称号[お姉様][赤の女王様][サディスト]セット!」 「はぁ?」 じろりとレナを横目で見たギルティアの目が、赤い光でくらまされる。 じんわり全身を熱されているようで、後退しそう... 続きを読む

  • 154:温泉戦闘3

    イヴァンを追いかけている男性陣の様子を少し遡(さかのぼ)る。 イヴァンは風をまとい、付与魔法で身体能力を強化して、魔法ブーツで確実に床を捉(とら)えて疾走している。 なんと獣人たちでも距離を詰めることができない。 驚愕の... 続きを読む

  • 155:温泉戦闘4

    女湯の空気は完全にギルティアにのまれていた。 勝ち誇った顔のギルティア。 しかし油断はせず、再び瑞々しさを取り戻した魂喰い花のツルを結界に打ちつけて壊し、マジックバッグに手を伸ばしかけたリーカを叩きのめす。 「きゃあっ!... 続きを読む

  • 156:温泉戦闘5

    「飼い犬。……じゃああの赤いのを連れて行こう」 「大賛成だ」 ギルティアの決定にイヴァンが満足そうに頷き、従魔たちの殺気をもろに浴びる。 ギルティアも奥歯を震わせるほどの迫力。足を踏ん張って耐える。 『『レーナ。従魔たち... 続きを読む

  • 157:聖霊覚醒

    「クレハ。体内の金属球を地面に置いて離れなさい!」 クレハはやけどの状態異常にはならないが、とても熱がっている様子だったのでレナは気が気じゃなかった。 オズワルドに白炎が現れた時、オズワルドは平気だったが、クレハは体内の... 続きを読む

  • 158:仮契約

    レナとハマルの会話を聞いていたロベルトとレーヴェが、真剣な眼差しでレナを見つめている。 いっそ迫力すら感じるほどの強い想いを、レナは受け止めた。 二人が黙ってレナの言葉を待っている間に、レナ自身が言うべき言葉を考える。 ... 続きを読む

  • 159:仮従魔の目覚め

    レグルスとキサはとても甘い夢に囚われていた。 自分が誰よりも一番に輝ける、唯一無二になれる、小さな世界に閉じ込められている。 『キサはこの世で一番、妖艶で美しいわ』 『レグルスはついに全ての炎獅子の頂点に立ったのか。素晴... 続きを読む

  • 160:レナパーティへの報酬

    『きっとレナが欲しいもの。どのような対価にしようか? いや……片割れを助けてくれるならば、生命でいう「命の恩人」というやつだろう。 思いつく限り、全部捧げてしまおう』 (ほげーーーっっっ!?) この場にいる全員が必死で絶... 続きを読む

  • 161:魔王国への帰還

    倒れたレナは、超巨大化したハマルによって丁寧に丁寧に丁寧に運ばれた。 ラミアの里の外で待機していたエメラルドドラゴンの騎乗籠にも、ヒツジのまま入り込んで、大人たちに苦笑されたくらいだ。 そして籠の端に追いやられながらも、... 続きを読む

  • 162:高級食材?それとも?

    リトル・クラーケン・ネオを前にしたレナが、まず口にした言葉は。 「この子、美味しいですか? ルーカさん[鑑定]して下さい」 これ。 だってオズワルドの手作り料理のために、ラミアの里のトラブルをやっつけたのだから。 世界か... 続きを読む

  • 163:後始末(サディスの場合)

    時間は少し遡る。 サディス・シュナイゼはこの日、朝からラミア族の緊急報告を受けて、早々に冒険者ギルドを訪れた。 ギルド長と打ち合わせを済ませて、レナパーティ護衛部隊を送り出すと、事務作業をこなすために王宮に帰っていった。... 続きを読む

  • 164:後始末(サディスの場合2)

    [トリックルーム]の空間内は、目が痛くならないくらいの柔らかな朱色。 鳥かごのような形状の空間だと、宰相が把握する。 天井から放射状に、蜘蛛の巣の模様が展開している。 正面に目を向けた宰相は、ため息をつきそうになった。 ... 続きを読む

  • 165:後始末(ロベルトとクドライヤの場合)

    ラミアの里騒動があった日の、夜に差しかかった夕刻。 ロベルトとクドライヤ、ギルド長は、事態の報告のためにシヴァガン王宮を訪れた。 「……政府への報告でこんなにも足が進まないのは初めてだ」 「ですよねー。隊長、いっつも尻尾... 続きを読む

  • 166:後始末(夢事件の組織)

    ジーニアレス大陸中で夢事件を引き起こしている犯罪組織のアジトは、大騒ぎになっていた。 音の一族ベルフェア出身のスイが、「うっ」とうめき声をあげて胸を押さえると、みんなが集まる大広間に大きな魔法陣が現れたのだ。 何事かと臨... 続きを読む

  • 167:穏やかな朝食タイム

    穏やかな寝息が聞こえている室内で、今日は誰よりも早くレナが目覚める。 ほんのささやかな声で、呟いた。 「おはよう、キラ。脳内アラームで起こしてくれてありがとう」 <お任せくださいませ! レナ様に頼っていただけるなんて、光... 続きを読む

  • 168:レグルスの決断

    「炎獅子レグルスの所属について、シヴァガン王国諜報部からの脱退措置が決まった。 これが懲罰となる。 上官である雪豹ロベルトも責任を問われ、諜報部を脱退し、新たな部署に配属変更となった。 悪魔(デーモン)文書を交わし、俺も... 続きを読む

  • 169:後輩レベリング

    ▽第一区画鍛錬場に 辿り着いた。 さすがに最上級者向けともなると、巨大なストーンゴーレムと案内係が数名ずつ控えている。 厳しい雰囲気に、レナが「うっ」と怯んでしまったほどの威圧感だ。 先頭を歩いていたロベルトを見た案内係... 続きを読む

  • 170:イカ娘、実食

    レナたちは鍛錬場で少し休憩してから、クラーケンの食べ方について話し合うことにした。 ハマルが4メートルほどの大きさになり(ハイテンションの名残(なごり)でまた大きくなりすぎた)レナパーティがぽふっもふっと金毛に埋もれるよ... 続きを読む

  • 171:ナイト・クラーケンパーティ!

    ▽ナイト・クラーケンパーティ、開幕! 「王国闘技大会会場か……久しぶりに訪れるな! 前回の戦いから、もう2年になるか?」 「ドグマ様の圧勝でしたよね。さすがでした。観覧しているこちらまで震えるほどの闘気、はっきりと心に焼... 続きを読む

  • 172:従者として(レグルス視点)

    俺はレグルス・カーネリアン。 誇り高き炎獅子家系の一員であり、聖霊対策本部の所属員、そして魔物使いレナ様の仮従魔だ。 俺、という一人称を使い男装して過ごしているが、性別は雌(メス)。 それゆえに、炎獅子特有のタテガミを持... 続きを読む

  • 173:レナパーティの美しさ(キサ視点)

    妾はキサ・ファリーナ。 ラミア一族の次期族長を退いて、今は魔物使いレナ様の仮従魔となった。 現在、ラミアの里を離れて、レナパーティとともにシヴァガン王国に滞在している。 王都には様々な魔人族や物が溢れていて、ついきょろき... 続きを読む

  • 174:今夜もイートミィ♡(ミディ視点)

    デリシャスクラーケンのミディアム・レア! それがミィの名前なの。 名前の意味、焼かれて半生状態のことなんだって。 アーン♡ 白炎に芳ばしく焦がされることを考えるとドキドキしちゃうネ……♡ そして美味しく喰べられるの。ミィ... 続きを読む

  • 175:新従魔たちのブレスレットを買おう!

    「レナ様。本日のご予定は?」 「キサとミディの装飾保存ブレスレットを買いに行きます。皆さんも一緒に来て頂けると心強いです」 「かしこまりました」 早朝から護衛部隊がレナパーティのもとを訪れて、1日の予定を聞く。 もはやお... 続きを読む

  • 176:服飾店[エルフィナリー・メイド]

    ▽[エルフィナリー・メイド]に たどり着いた。 「こんにちは」 「あら! いらっしゃい。レナパーティの皆さん」 店内に入ると、店主が歓迎してくれる。 従魔たちは店内の華やかな衣類を見て目を輝かせて、レナも「ずいぶんと品物... 続きを読む

  • 177:服飾店[エルフィナリー・メイド]2

    「オーダーメイドの内容をまとめるわ。 冒険者パーティお揃いの戦闘服。ベース色は赤色、それぞれの戦闘スタイルに合わせてデザインを考える。レナさんの服装はマイルドで少女的な雰囲気を醸しつつ高貴な女王様スタイルね」 「エリザベ... 続きを読む

  • 178:お互いの成果の報告

    リリーたちと合流して、レナパーティがお宿♡に揃う。 『ただいまっ! ご主人さま、これ。受け取って♪』 リリーがチョーカー型のロケットペンダントをレナに渡した。 すでに呼び笛をふたつ首から下げているので、長さを変えてみたの... 続きを読む

  • 179:先輩従魔は羨ましい

    夜、こっそりと先輩従魔たちで話し合はいが行われていた。 イズミが声を潜めて「ぱふぱふ〜」と言う。 「たまには早起きして朝ごはんのしたくを終わらせて、レナをおもてなししようよ〜。後輩にもかっちょいいとこ見せないとだもんねっ... 続きを読む

  • 180:<勇者の伝説>観劇

    レナたちは王都の中央広場にやってきた。 今日はここで、「勇者の伝説」の観劇がある。 広場には大きな馬車が何台も停まっていた。馬車を引いているのは魔道具木馬だ。 「「イリュージョン!!」」 ピエロのような派手な服を着た魔人... 続きを読む

  • 181:観劇の舞台裏

    とりあえず目的の午前公演は観終わったので、レナたちはすみやかに特別観覧席から退散した。 劇場の隅にいたピエロから、午後公演のチラシをもらう。 ばっちり<赤の女王様>と書かれている。 ピエロの意味深な視線は無視して、とりあ... 続きを読む

  • 182:イヴァンがいないガララージュレ王国

    ミレージュエ大陸にある小国、ガララージュレ王国。 国土が狭いながら、急速に高まる軍事力が危険視されている国である。 魂が黒い悪人を多数スカウトしていて、青の女王様シェラトニカが独裁政治を行っている。青いドレスがトレードマ... 続きを読む

  • 183:ギルド長との鍛錬

    鍛錬場にレナパーティと護衛部隊、シヴァガン王国冒険者ギルド本部のトップであるグレイツ・ハーヴァが集った。 本日はレナパーティの希望により、ギルド長と鍛錬の予定である。 「よろしくお願いします!」 レナパーティがぺこりとお... 続きを読む

  • 184:トイリアメンバーのお迎え

    <じゃあ、また明日。おやすみなさいーー> 通話を切って、レナパーティは顔を見合わせる。 明日、久しぶりに従魔が全員揃うのだ! レナの友達も、アネース王国トイリアからやってくる。 空を飛んで大陸を越えて。 「パーティしなき... 続きを読む

  • 185:トイリア組と服飾店へ

    トイリア組を迎えたレナたちはパジャマパーティをしている。 アリスが持ち込んだのだ。 パトリシアが「スライムグミフラワー」を開花させると、どんどんといろんな味のグミが実り続ける。 「植物の実だからお菓子よりも身体にいいし、... 続きを読む

  • 186:ゴールデンシープとエルフ族

    「黄金の繊維がエルフの心を豊かにする。金毛羊(ゴールデンシープ)に焦がれた髪は金に染まった。服飾一族、我らはエルフ族。魅惑の羊はどのように歩くのだろうか……生きたそのお姿を想像して眠る……我らが心に、金毛羊(ゴールデンシ... 続きを読む

  • 187:オーダーメイド衣装、完成!

    2日後、レナたちは「赤のオーダーメイド衣装が完成しました!」という手紙を受け取った。 エリザベートたちは疲れ切っていたのだろう、文字がへにゃへにゃでインクも滲んでいる。 ポストに向かう手間も惜しんで、高級魔道具の「記憶鳩... 続きを読む

  • 188:魔王ドグマとの訓練1

    王国武闘大会会場が開かれる。 (最近よくここに呼ばれるにゃあ)(会場もきっとよろこんでるにゃあ!)ケットシーたちが目配せしてうんうんと頷きあい、「「にゃにゃーーー!」」魔法を発動させた。 空調魔道具などが動き出す。 「今... 続きを読む

  • 189:魔王ドグマとの訓練2

    訓練の最中、キラがニヤーーッと笑う。 嫌な予感に、魔王国側が一歩引いた。 ▽キラは DJセットを 映像で現した! ▽きゅきゅっとディスクを回すアピール! <みなっさぁーーーん! ノッてるぅーー!? イェェェェーーイ!!>... 続きを読む

  • 190:夢組織の屋敷、潜入!

    森の中を進み、お屋敷がある方向へ。 魔眼の者たちが先導するので、迷わない。 森の終わりが見えてきたところで、先頭が足を止めた。 「……さあ。ついたぞ」 魔王ドグマも黄金の目を瞬かせる。 「嫌な気配だ」 ため息をひとつ。 ... 続きを読む

  • 191:夢組織との戦闘開始!

    |夢の支配者(ナイトメア)バクが指揮をとる犯罪組織。 拠点にしていたお屋敷の空間が、精霊の気まぐれで歪められてしまったので、移動もままならず、精霊を”堕として”活動をやめさせた。 すると部屋や階段への経路がおかしかったと... 続きを読む

  • 192:参上!レナレンジャー!

    さあ刮目せよ夢組織、これが! 噂の! レナパーティだーーッッ!! 「赤の祝福戦隊、レナレンジャー!」 お屋敷の各部屋で、主従がポーズを決める! カラーチェンジの宝石が光り、衣装が鮮やかな赤色に染まった。 ド派手にいくぜ!... 続きを読む

  • 193:VSギルティア

    <えー、テステス。ところかわってこちらは|砂漠の魂喰い花(デザートギルティア)がいる大部屋! 子どもたちは3名。補助要員のようですね? パトリシアさん、キサさん、ロベルトさん、張りきっていきましょうーー!> ▽カーーン!... 続きを読む

  • 194:VSイラ

    「「炎魔法[オーバーフレイム]!」」 髪の毛先を白く染めたオズワルドとレグルスが床に炎を走らせる。 イラの[|鏡隠蔽(ミラージュ)]で隠されていた罠が現れた。 鏡が白炎により溶けたのだ。 「金属の足枷に仕込み槍。大したも... 続きを読む

  • 195:VSラズトルファ

    <こちらは白淫魔ラズトルファのお部屋。 あららー……ルーカティアスさんは足を負傷。原因は小石。んもぅ! 困りましたね。マスター・レナが側にいないので悪運がやってきているようです。 頑張れ、幸運カーバンクルのシュシュさーん... 続きを読む

  • 196:VSイヴァン

    「[トライ・ワープ]」 ▽モスラの ガレキ投擲! 「闇魔法[シャドウ・ホール]」 ▽モスラの 正拳突き! ▽イヴァンのギリギリを かすめる。 ▽イヴァンの 短剣闘舞! ▽モスラは [ハイステップ]ですべてかわした。 戦闘... 続きを読む

  • 197:VSマルク・スイ

    「スキル[鼓舞]!」 レナが一喝!!! 従魔のテンションがぐーん! と上がる。 「最初から飛ばして行くよー! スキル[夢吐き]デスメタルゴーレム」 ハマルの背後に黒光りするメタルゴーレムが5体現れた。 そしてレナたちが耳... 続きを読む

  • 198:夢組織の反撃

    レナパーティに誘われるお屋敷精霊。 圧倒的強者にあたたかく迎え入れられて、さぞ嬉しいのだろう……とスイは目をぎらつかせながらさらにタイミングを計っていた。 (私たちに勝機があるとすれば、あの精霊を利用すること) マルクが... 続きを読む

  • 199:夢組織の反撃2

    精霊の魔力が夢組織のメンバーに巡り、それぞれの動き方が変わる。 ギルティアは千切られたツルの残骸に魔力を注ぎ、大量の蕾を芽吹かせた。 精霊の[鼓舞]とともに「おらああああ!」と叫び、急速成長させる。 赤と黒の花弁の、異様... 続きを読む

  • 200:反撃の反撃の反撃の反撃ィ!

    「「スキル[夢吐き]」」 ハマルとマルクが、それぞれ蓄えていた夢で攻撃をする。 異次元の戦いが行われていた。 槍や弓が飛び、炎が飛び出したりビームが打たれたり、ロボット兵士が突撃したり鋼鉄の壁が防いだり。天井が崩れたり床... 続きを読む

  • 201:目指せ終結!1

    現在、精霊が屋敷に魔法をかけていないので、廊下はけして広くない。 マルクが[|夢の世界(ドリームワールド)・反転]によって強度を維持しているのみ。 その廊下にみっちり詰まるようにして、巨大羊が闇色のバクを押して通るオラオ... 続きを読む

  • 202:目指せ終決!2

    イラを奪還して、全力で逃げるラズトルファ。 向かう先は、まずギルティアのいる方向だ。 ラズトルファとイラのグループは[トライ・ワープ]を仕込んだ魔道具を使ってしまったため、この屋敷が解放された時にすみやかに移動できるよう... 続きを読む

  • 203:目指せ終決!3

    漆黒のドラゴンを黄金の光が力強く押して、廊下の端の壁を突き破るッッドゴォーーーン!!!!! ドウッ!! とドラゴンが数メートル吹っ飛ばされて、倒れた。 とても硬い壁を尻で突き破ることになったため、甚大なダメージを負ってい... 続きを読む

  • 204:目指せ終決!4

    キラが魔力を込めた魔法陣から、みずみずしい泡がぷくぷくぷくぷくと溢れ出した。 天井一面に水面の模様が映し出されて、部屋を青く染め上げる。 ステンドグラスの光が入った部分だけは、カラフルな色が混ざった。 丸い泡が浮かんでパ... 続きを読む

  • 205:目指せ終決!5

    レナが作りあげた[テンペスト]の白炎柱。 その柱は、高く雲を突き抜けて輝かしい光を発し、遠く離れたミレージュエ大陸からも視認できるほどであった。 大陸の人々は何事かと光り輝く方を見る。 アネース王国ラチェリの|赤の信者《... 続きを読む

  • 206:新たなステージへ

    『では〜♪ おやしきの再生をはじめましょうー! そのために私がきたんだもんねー』 大精霊シルフィネシアことネッシーが、にぱっと笑った。 彼女と因縁があるイヴァンも退治したので、とってもごきげん。 もはや恐れるものは何もな... 続きを読む

  • 207:新たなステージへ

    ラビリンス[青の秘洞]のように青く色づいていた食堂が、キラとルージュの魔力で満ちて、昔の様子そのままに修繕されていく。 柔らかな照明が灯った。 傷みが激しかった家具や割れた食器などが白銀の光の輪に包まれると、みるみる新品... 続きを読む

  • 208:踊りじゃー!

    一曲目が終わり、それぞれが次のダンスパートナーを探す。 「……パトリシア、その樹人族の彼女を預かりましょうか? 踊りにくいのでは」 「悪いねモスラ。花屋が萎れたお花を手放すのはありえない」 「それは失礼致しました。まあキ... 続きを読む

  • 209:草原に転移した夢組織たち

    遠方の草原に転移させられた、マルク、スイ、ラズトルファ、イラ、子ども二人。 だるい身体をなんとか起こして、周囲を索敵、それからボソボソと相談をする。 まずは現状把握から。 お屋敷のことを話し出して、あまりの非常識の連続に... 続きを読む

  • 210:魔王ドグマのおつかい業務

    「ねぇラズ兄。本当に魔王国、いいところなのかなぁ……」 「みんな、殺されてたりしないかな……?」 ラズトルファにまとわりつきながら泣き始めたゴースト種族を「うっとおしいから事情を話せ!」と人型にさせたら、そんなことを言う... 続きを読む

  • 211:レナパーティの目覚め

    とっても大きなふわふわ白金色の羊毛ベッド。 雲に包まれるように眠っていたレナが、目を覚ます。 「おはよう! ご主人様」 「レナ様」 「レーナ!」 従魔たちが、友達が、親しい者が、柔らかな声でレナを呼んだ。 「…………っ!... 続きを読む

  • 212:できたてのお屋敷ダンジョン

    廊下に出たレナたちはあっけにとられた。 お屋敷の! 廊下には! 豪華なレッドカーペットが敷かれている!!!! 言わずもがなキラのナイス案である。 精霊も聖霊も大賛成した。 護衛部隊は恐れ多さのあまり、レッドカーペットの端... 続きを読む

  • 213:帰還

    シヴァガン王宮にレナパーティーが降り立った。 赤のマントを風になびかせながらの堂々たる着地。 そのインパクトは絶大で、またしてもファンを増やした。 影蜘蛛の重役たちが現れると、流れるように宰相の執務室に案内される。 執務... 続きを読む

  • 214:依頼成功報酬・交渉

    「何か、新たな依頼成功報酬を考えていらっしゃるようですね」 宰相がため息まじりに冷静に尋ねた。 もう、目が諦めきっている。 レナパーティーならば、あまりにも理不尽なことを押し付けようとはしないだろう……この上なく変な要求... 続きを読む

  • 215:条件、とは?

    「条件……とは?」 宰相の仕草がずいぶんと柔らかくなっているな、とレナは思った。 レナたちの緊張をほぐす意図なのか、それとも自然にレナパーティの空気に馴染んできたためか。 宰相がふっと軽く息を吐く。 「まず前提として、こ... 続きを読む

  • 216:条件、のむ?

    「完全会員制リゾートがよろしいでしょう。制限がないと、様々な者を呼び込むきっかけになってしまいますから。会員は皆様が選び、ギルドカードに似た会員カードを発行するなど、いかがでしょうか」 ▽宰相が たたみかける! 「商人も... 続きを読む

  • 217:王宮からの帰還

    執務室から出たレナパーティに、宰相がメモをチェックしながら、口頭確認する。 「忘れ物はもうないか、しっかり確認しなくてはなりませんね。依頼成功報酬渡し、契約書類……連絡魔道具……」 (いい人だなぁ) レナがそわそわとむず... 続きを読む

  • 218:レナが見つけたラビリンス

    ロベルトが目を瞑っていたのは、ほんの一瞬。 元諜報部として情報を得なければ、とすぐさま瞼を開けたのだが、その時には目を焼くようなまばゆい光は霧散していて、爽やかな草原が目前に広がっていた。 「……お待たせ致しました。レナ... 続きを読む

  • 219:【赤の教典】

    「オズくんとの出会いを本にしたいの!」 「やめて!」 レナが高らかに主張して、祈りの手を天井に向けて突き上げた。 オズワルドがレナの二の腕にぶら下がり、体勢を崩す。 「うわっ」 「[|重力操作《グラヴィティ》]……軽く」... 続きを読む

  • 220:お屋敷にただいま!

    レナパーティが異空間をくぐり抜けて出た先は、お屋敷の門の前だった。 赤く鮮やかなスカーレットローズが咲き、アーチ状のガーデニングがレナたちを出迎える。 「いい仕事するじゃんね。クドライヤおじさん」 「パトリシアちゃーん。... 続きを読む

  • 221:シアタールーム

    お屋敷に入っていくと、玄関はエントランスホールとして綺麗に飾られている。 日本の高級リゾートホテルそのまんまのイメージだ、とレナは思った。 待合用の机と椅子を見て、淫魔ネレネのお宿♡の家具を思い出し(あ。ルネリアナ・ロマ... 続きを読む

  • 222:休憩もしなきゃね

    ▽会議鑑賞が終わった。 「ふわあぁ、すごかった……! 大迫力!」 「笑いすぎてお腹が痛いんだけど……くくくっ……!」 「会議の資料で笑っちゃうって、そうないですよねぇ」 もはや慣れた手の動きでルーカの背中をさすりながら、... 続きを読む

  • 223:温泉水とラミアの里

    「交渉は私たちにおまかせ下さいますか!」 「だめです」 キラがとても可愛いポーズで言ったが、レナは一刀両断、スパンと却下した。 従魔可愛さにイイヨイイヨとほだされていいところではない。 危ない。 しょんぼりしているとレナ... 続きを読む

  • 224:大浴場

    ▽浴場についた。 広がる|緋々色黄金《ヒヒイロカネ》の下地が、温泉の浴槽となる。 贅沢な素材を踏みにじって入浴するのだ。 えい! えい! とね! 大理石の床に、赤色のスライムジュエルも混ざって薔薇の模様になっている。 ク... 続きを読む

  • 225:大浴場2

    脱衣所は浴場のとなりにきちんと作られている。 コンセプトはリゾートの温泉入浴なのだ。 先ほどとは違う扉から(さっきはキラが業務用扉のようなところから直接浴場に案内した)まずは脱衣所にレナたち女の子が入る。 サロンのように... 続きを読む

  • 226:大浴場3

    一波乱あったわけだが、まあ入浴しましょうや! 脱衣所から大浴場に入ると、空気がぽかぽかとあたたかい。 湯気が裸体をしっとり包んだ。 ビジュアルの豪華さは見学した通り。 せっかくの温泉にバスタオルなんて粋じゃない。 ここは... 続きを読む

  • 227:大浴場4

    温泉に浸かりながら、レナがまったりと話し始める。 みんなはそれを聞いた。 「始まりはどうしようもない理由で旅に出ることになった」 軽やかに鈴が転がる声で語られる、えげつない思い出話。 レナは遠くを見る目で、温水プールで遊... 続きを読む

  • 228:温泉入浴(男子たち1)

    ▽メンタルクラッシュ! ▽メンタルクラッシュ! ▽メンタルクラッシュ! ▽限界値が上昇した! …… …… ロビーでは男子の従魔たちが撃沈している。 赤色のソファが並べられて、一つにつき一人が背もたれに頭を埋めていたり、丸... 続きを読む

  • 229:温泉入浴(男子たち2)

    ▽大浴場の扉を開けた。 「ふつうに遊園地! というか半分近く遊園地になってない!?」 魔眼で全体を見渡したルーカが驚きの声をあげる。 |緋々色黄金《ヒヒイロカネ》とスライムジュエル、赤薔薇がお湯に浮かんだちょースペシャル... 続きを読む

  • 230:温泉入浴(男子たち3)

    「そういえば君たち、仲間内での恋愛は?」 ▽ロベルトの広範囲攻撃! ▽ルーカは逃げ出した! 「ちょっとみんなと一緒に遊園地で遊んでくる!! あっ」 「そんなに急ぐと転びますよー」 ルーカが見事なタイミングでつるんと足を滑... 続きを読む

  • 231:クーイズと紫

    みんなで寝室に向かう途中。 いろんな部屋を覗きながらのプチダンジョンツアー。 キラに案内されたのは非日常のトンデモルームばかりだったので、普通の部屋も見ておくことにした。 「見て見て! 鞭コレクション!」 『右から、魅了... 続きを読む

  • 232:従魔の裏会議

    キラの能力で、眠るレナの上はプラネタリウムのようになっていて、あとの半分はサイバールームのようなかっちょいい内装に変化している。 テンション上がるぅ! ……とは、能天気な幼従魔たちの感想。 ツッコミをする者? 寝てる。 ... 続きを読む

  • 233:従魔の裏会議2

    「みっつめは議題をかえますね。勇者の伝説の次回公演について教えてくださ〜い!……からの、ガララージュレ王国の最近の様子について教えてください」 キラが言うと、頭上の輪っかがピカリと光った。 やはりか……とアレサンドラ国王... 続きを読む

  • 234:レストランに向かおう

    ルージュのお屋敷が、営業開始となるまでは、ダンジョン[赤の聖地]と統一して呼ぶことにした。 スカーレットリゾートエテルネルージュ、とは長すぎてレナが噛むためである。 営業までに、要練習。 玄関先にみんながわちゃっと集う。... 続きを読む

  • 235:レストラン会合

    奥の一室に通される。 もちろんほかのお客に注目されまくり、ポロリとフォークを落とす者、咀嚼していた肉を詰まらせた者、スープをだらだらこぼしてしまった者などがいて、妙な空気をレナパーティは居心地悪く感じていたのだが、カンカ... 続きを読む

  • 236:レストラン会合2

    紅茶を飲んで、一服。 お皿はほとんど空っぽになった。 あとは、バスケットからちまちまとミニパンを取り出してクーイズたちが齧っているくらいだ。 「サディス宰相。あの、うちのパーティでお預かりする夢組織のメンバーについて、尋... 続きを読む

  • 237:ガーデナーたち

    ▽レナパーティが 赤の聖地に 戻った! ▽シャボンフィッシュが 泳いでいる×100 「キラ、大精霊召喚(シルフィネシアコール)成功したみたいだねぇ」 ぽかんと、シャボンフィッシュによる舞いを見上げていたレナが、苦笑しつつ... 続きを読む

  • 238:特別保護域SS区・スウィーツパラダイス

    特別保護域SS区|遠征(えんそく)、当日。 お屋敷の玄関ホールで、レナパーティは最終確認の点呼をしている。 「一緒に行く子ー! クーイズ、リリーちゃん、ルーカさん、ハーくん、シュシュ」 はいはい! はいはーい! と手が挙... 続きを読む

  • 239:特別保護域SS区・スウィーツパラダイス2

    「チョコレートモンスターたちは、チョコクイーンに統括されている。団体行動が得意なモンスターたちだけど、総指令を押さえたら僕たちの勝利だよ!」 「私たち何をしにきたんでしたっけ……?」 「|狩り(テイム)だよ! そして今は... 続きを読む

  • 240:特別保護域SS区・スウィーツパラダイス3

    スカートを揺らすチョコレートクイーン。 つぶらな瞳は、ボディよりも色が濃くて、(ビターチョコ?)とレナは考えた。 すると魔眼が[カカオ80%相当]と日本知識とすり合わせて判定してくるので、ルーカが口元を押さえて震える。 ... 続きを読む

  • 241:チョコレートモンスター

    ▽レナパーティが 帰宅した。 おかえりー! と抱きついてきた従魔たちを、レナがぎゅーっと受けとめる。 とてもステキな拠点を築けているな、とレナは胸をあたためながら考えた。 この場合、拠点とは、家庭のようなイメージだ。 帰... 続きを読む

  • 242:夢組織のお別れ会

    宰相サディスがシヴァガン王国に帰ってきてからの仕事は、山のようにある。レナパーティに追加されたぶん。 すでに積まれていた仕事は、部下の影蜘蛛たちにうまいこと分配しておいたので、ある程度片付いていた。直々に育てた部下は優秀... 続きを読む

  • 243:夢組織のお別れ会2

    プレゼントボックスは横長の箱。 赤い包装紙、ピカピカ光るリボンがかけられている。 意味がわからない、というふうに夢組織の子どもたちは戸惑っている。 (各々の考えている事は大体わかりますね……) 宰相は観察して、そっと目を... 続きを読む

  • 244:レナパーティの優雅な午前

    レナたちは珍しく、朝遅くまで快眠を貪っている。 昨日はダンジョン成長のために、たくさん踊った。 こんなスペシャルルームはどうかな? やってくる夢組織の子供たちの部屋をどうする? と相談をしていると、いつの間にか深夜になっ... 続きを読む

  • 245:レナパーティの甘美な午後

    「ふあああ〜……! こんなにたくさんチョコレートが食べ放題、食べ放題……本当なんですか!? お、おいしいですっ」 ノアが、巨大に切り分けられたチョコレートケーキを一口一口、それは丁寧に口に運ぶ。 モスラが手がけたチョコレ... 続きを読む

  • 246:新人のお迎え

    その日、シヴァガン王宮はどことない緊張感に包まれていた。 夢組織メンバーが、罪を償う場所にそれぞれ移動する日である。 夢組織の三人、煉獄火蜥蜴のジレ、スケルトンホースのアグリスタ、シルクゴーストのマイラが、廊下をそろりそ... 続きを読む

  • 247:夢の子供の仮契約

      玄関で、出会い頭に、きらびやか主従ビジュアル攻撃を受けて、震えあがった元夢組織メンバーの三人。 しかしながら、その程度で済んだ、とも言えるのだ。 ロベルトとクドライヤは正直驚いていた。 ((レナパーティをく... 続きを読む

  • 248:新たな君らをエスコート

    「館内を歩くのに、エスコートがある方がいいわ」 いいのか? ……と新人三名は思ったが、素直に頷いた。 思いやりの気持ちでレナ女王様が発言したと、分かるからだ。 かりそめの絆の細い繋がりでも、主人の素直な心がよく伝わってく... 続きを読む

  • 249:お着替えしましょ

    ▽お仕事を始めよう! 「お着替えです」 レナの顔がほくほくと輝いているーー! いえーい!!!! 「仕事をするには制服から、だね。まずマイラ」 「……メイド服。はい」 おずおずと主人の手ずから受け取って、メイド服を眺めてい... 続きを読む

  • 250:初仕事・ジレ

      ──お屋敷薔薇庭園。 ジレとクーイズ、パトリシア、リオ、クドライヤがやってきた。 「うわ……」 ジレが思わずというように感嘆の息を漏らして、ガーデンを眺める。 赤薔薇を中心に、ツル薔薇、白薔薇、細やかな花が... 続きを読む

  • 251:初仕事・アグリスタ

      ──ダンジョン創造室。 アグリスタとチョココ、ハマル、キラがやってきた。 チョココに引っ張られて、一生懸命走らざるをえなかったアグリスタ、普段の二倍の速度でここまでたどり着いてしまった。 (うう……こんなに... 続きを読む

  • 252:初仕事・マイラ

      ──キッチン。 マイラとミディ、ルージュ、モスラがやってきた。 「ひ、広……」 マイラが(まあ分かってたけど!)と考えながら、声が漏れた口を押さえた。 (私たちがここに住んでた頃は……キッチンの残骸って感じ... 続きを読む

  • 253:三日後

      新従魔がやってきてから、三日が経った。 それぞれちいさな失敗がありつつも、その者にできる範囲の仕事が与えられているので、おおむね毎日「仕事満点!」をおさめている。 ジレは庭の整備、アグリスタは創造の手伝い、... 続きを読む

  • 254:囚われのギルティア

    シヴァガン王宮の地下牢。 暗い階段を、足音も気配もなく降りていくのは諜報部の者だ。静寂に慣れきった囚人にすら存在を気づかせない。 影になじむ、黒ずくめの装束。 「|砂漠の魂喰い花(デザートギルティア)」 名前を呼ばれた囚... 続きを読む

  • 255:夢組織たちの搬送

      「…………」 宰相は窓から、|砂漠の魂喰い花(デザートギルティア)が収縮されるところを眺めていた。 小さな果実(リンゴ)となり、赤の聖地に埋められるのだろう。 再び芽生えるまで、意識が覚醒することはない。 ... 続きを読む

  • 256:鎮めの墓地の外道たち1

    濁った空気には意思が宿っているかのようだ。 じっとり体に張り付くように空気がうごめいて、何もないはずの空間に、何千という瞳があるような気味の悪い錯覚が、スイの足をすくませた。 (これ……) 探りの視線は、声の一族として故... 続きを読む

  • 257:鎮めの墓地の外道たち2

      スパァン!! とモレックが金髪男子の頭を叩いたところ、痛いな、と眉がしかめられたが、なんだか恍惚とした表情になったため「そういやマゾだったなこいつ」と思い出して、暴力で躾けてアゲルるのはやめた。 喉に引っか... 続きを読む

  • 258:静かな歓迎会

      赤の聖地では、ちょっぴり苦い空気の中、ティータイムが始まった。 ローズガーデンにみんなが集って、テーブルにはたくさんの|お迎えのお菓子(ウェルカムスイーツ)が並んでいる。 「出かける直前まで説得はしたんです... 続きを読む

  • 259:最近の従魔ってやつは(最高)

      レナは新人の動きを観察している。 (慣れてきてる。うん、よかった……ジレは真面目に園芸仕事とツッコミをこなしてくれてるし、アグリスタはやっと少しいい夢も見始めてツッコミもしてくれてるし、マイラは料理の腕が上... 続きを読む

  • 260:チョココ♪ バレンタインデー1

      ギルドカードのステータスとにらめっこしていたレナの肩に、軽い衝撃。 ちいさな手。 ふわんとチョコレートの匂い。 「バレンタインデーというものがあるのですよねっ」 チョココの話はいつも突然だ。 思い浮かんだら... 続きを読む

  • 261:チョココ♪バレンタインデー2

      レッスンフロア。 アップテンポのダンスミュージックが流れていて、ミラーボールが光と影を作り出し視界を混乱させる。 そんな中、四つのシルエット。 激しい戦闘訓練が行われている。 「はあっ」 「ヤッ!」 重い音... 続きを読む

  • 262:チョココ♪バレンタインデー3

      庭に、わたあめモムが群れになってやって来た! 園芸組が、怪訝な顔で見上げて、驚愕する。 「うわあっ!」 ▽チョココが 降ってきた! ▽大慌てでキャッチ! 『ハッピーバレンタインデー!』 「はあ、なんだよ……... 続きを読む

  • 263:チョココ♪バレンタインデー4

      ▽薔薇スイートチョコレート ▽薔薇ビターチョコレート ▽二段ホワイトチョコレートケーキ ▽スイートザッハトルテ ▽ビターチョコチップクッキー 「個性豊かすぎる」 パトリシアが、テーブルの上を眺めながら唖然と... 続きを読む

  • 264:チョココ♪バレンタインデー5

      「ノア様。その……」 「なんでしょう?」 「いえ。バタバタと音がしませんか?」 やってきたばかりのノアに付き添いながら廊下を歩いていたロベルトは、ひくひく獣耳を動かした。 頬が丸くなったノアに対して「甘いも... 続きを読む

  • 265:チョココ♪バレンタインデー6

    ──キッチン。 レナとアグリスタ、眠るチョココ。 レナがかしゃかしゃと泡立て器を使ってホイップを作り、アグリスタは皿を拭く。 穏やかな時間が流れている。 (今、マイラはいないし……ジレもいないしぃ……でもチョココがいるか... 続きを読む

  • 266:チョココ♪バレンタインデー7

      ──ダンジョン管理ルーム。 夜空のような藍色の空間。 ふわふわと無重力にキラとハマルが浮かんで、ウィンドウとにらめっこしている。 ハマルがウィンドウをつつくと、ぱあっと星屑の光があふれた。そして消える。 「... 続きを読む

  • 267:チョココ♪バレンタインデー8

      ──温泉。 三つの人影がほんわりと湯気に包まれている。 やわらかい湯の香りには、ラミアの里産の柚子と香草のにおいも混ざる。 フッと冷たい息をはいて、湯気の形を変えるあそびも、彼女たちにはお手のもの。 「いい... 続きを読む

  • 268:チョココ♪バレンタインデー9

      ▽ハッピーバレンタインデー!! 『チョココッ♪』 ▽チョコレートの香りを漂わせながら、チョココが降ってきた! 温泉の天井を、黒い影が横切って去っていく。 影の魔物にここまで運んでもらったらしい。 「チョココ... 続きを読む

  • 269:チョココ♪バレンタインデー10

      レナとアグリスタがテーブルの飾り付けを終えた。 「よしっと」 「……喜ばれる、と、思います……」 アグリスタが小さな声で呟いて、そっとレナを見上げた。 二つの緑の目は緊張で潤んでいて、でもまっすぐ眺めてくれ... 続きを読む

  • 270:チョココ♪バレンタインデー11

      ▽ミディが 二メートルサイズに縮んだ。 ▽チョココが 目覚めた! 『『スウィートミィ♪』』 チョコレート色の手をバンザイする動作が、リンクする。 ミディはイカ触手を眺めて、不思議そうにプルルンと頭を傾けた。... 続きを読む

  • 271:リリーの宝飾修行

    マリアベルがリリーを迎えにきた。 護衛のモスラとともに、やってきたのは[宝飾店メディチ]。 「ぐすん……」 「リリー様ぁぁ!?」 妖精姫をお出迎え! とドキドキ扉を開けたクリエは、しょぼくれているリリーをみて心臓がぶっ壊... 続きを読む

  • 272:七日目の仮従魔

    朝早く起きた元夢組織の三人組。 チリリ、チリリ、と鳴る時計を、とめる。 「おはよ……」 「うん。起きれそう? アグ」 「……んぅ……起き、るぅ、よぉぉ〜……」 ズリズリと這いずるように動くアグリスタだが、寝ぼけながらも毛... 続きを読む

  • 273:ギルド長からの相談

    シヴァガン王都ギルド長、グレイツ・ハーヴァと訓練を行う。 貸し切りの訓練場で、エメラルドドラゴンがその大翼を広げた。日差しを吸収して、生命力に満ちた緑色を輝かせる。 『<うーむ。のびのびと戦うのは気持ちがいい>』 キラが... 続きを読む

  • 274:<クエスト:墓地の浄化>1

      王都冒険者ギルド本部の裏側──高い柵に囲まれた訓練所。土地の浄化手伝い、改め<クエスト:墓地の浄化>のメンバーが集った。 レナパーティからは、レナ、クーイズ、リリー、ハマル、ルーカ、シュシュ、キラ。 前回の... 続きを読む

  • 275:<クエスト:墓地の浄化>2

      上空から見る墓地は、六芒星の形に区切られている。 天空の雲を凝縮した純白のレンガが、荒地の中でやけに眩しく目立っていた。 「迷路みたい……?」 『お嬢ちゃん、正解だな。目的はそのとおり。アンデッドはあのレン... 続きを読む

  • 276:天使族たち

      天空からその存在が降り立つ様子は、まるで絵画のようだった。 大きな白の翼がゆったりとはばたき、薄桃色の長い髪がふんわり広がって輪郭をつつむ。 美しく整った容貌の男子は、天使族の伝統衣装をまとっていた。 目に... 続きを読む

  • 277:天使族たち2

      ギルド長と天使族長が言い争いをする剣幕はきびしく、その吐息と翼のはためきで白砂が巻き上げられたほどだ。 視界がうっすら白く染まり、ハマルがこっそりと「夢吐き[無風]〜」を使った。そのまま文句を言ってやっても... 続きを読む

  • 278:のんびり報告会1

      お疲れのレナたちがエメラルドドラゴンに乗り込む。 行きよりも、スライムシートベルトを入念に。落っこちたら困るから。見た目が……というのはギルド長に我慢してもらおう。後輩たちはバッチリ仕事をこなしたことだし。... 続きを読む

  • 279:のんびり報告会2

    「天使族の様子は?」 「うんまぁ」 「あー」 レナが濁した様子と、桃色猫に変身していったルーカがくしゃみをして毛を逆立てたことから、オズワルドは何かを察した。 「気分悪いやつらだっただろ」 「うーん。正直言うと、印象は悪... 続きを読む

  • 280:冒険者ギルド道中

      ▽レナの号令! 「それじゃ、冒険者ギルドに出発すーるよー!」 『「はーい!」』 元気な声が返ってきた。 今回のメンバーは、キサ・レグルス・ミディ・チョココ。 魔物型のチョココを、ミディが抱えている。 見た目... 続きを読む

  • 281:商店街散歩

    レグルスの手の力はどちらかといえばか弱くて、レナがすこし引っ張れば離れてしまいそうなくらい。 力を入れすぎないように気をつけているらしい。 そわそわとレナに「痛くないですか」と聞いてくる。 リードに慣れていないなら、レナ... 続きを読む

  • 282:ギルドに着いた!

    シヴァガン王国、冒険者ギルド本部。 ふわんとパンケーキの匂いを漂わせたお嬢さんたちが来るような場所ではない。きたけどね! ああん? とガンをつけかけた冒険者たちは、レナパーティの背後にただならぬ威圧を感じて、本能的にマジ... 続きを読む

  • 283:留守のなごり

      ▽赤の聖地に帰還した。 ▽従魔と従者が 出迎える。 「おかえり~~!!」 ドドドドド! レナが目を丸くする。 「うわっみんな半泣き……!? えっそんなに!? ふ、ふふ。えへへ。ただいま。ご主人様はここにいる... 続きを読む

  • 284:ルージュのお誘い

      ──夜。 ルージュに誘われたのは赤の扉。 (安心感がある) とレナが思うのは慣れている色彩ゆえだろう。青よりも赤のほうがリラックス効果があるのだ、レナパーティにとっては。 ▽面白いね! 「レナ様。こちらトリ... 続きを読む

  • 285:鞭の訓練します!1

    ガーデン中央に朝礼台がデデンと作られている。 レナが留守にしていた間の、従魔たちの作品だ。 ここで朝のミーティングするといいんじゃない!? という思いつきは、ギルティアを心配する新人3名のためにと……先輩従魔が考えた。 ... 続きを読む

  • 286:鞭の訓練します!2

    『レナ様はどのような鞭スキルを?』 ▽ルージュ先生の 現状確認! ▽レナは 冷や汗をかきながら返事をするしかない。 「な、薙ぎ打ちとみね打ちを少々……」 『なるほど。謙遜はけっこうですわ、薙ぎ打ちとみね打ちができる! と... 続きを読む

  • 287:カルメン先生と森授業

    ▽カルメン先生と夜の授業が始まるよ! レナたちがやってきたのは赤の聖地から比較的近い森林地帯。土地の起伏や崖もある、足場の悪い場所である。隠れる場所が多いぶん、魔物は多い。すこし煙たさを含んだ風がつめたくレナたちの髪をな... 続きを読む

  • 288:ハマルの成長とこれから

    ▽レナたちが 赤の聖地に 帰還した。 家事をする仲間がいつもより多くいたので、ガーデンテラスがパーティのように飾り付けられている。色とりどりのサラダや海鮮カルパッチョ、ポタージュスープ、チョココが甘くしてしまったパンなど... 続きを読む

  • 289:メデューサの瞳

    メデューサ族長から、熱烈な視線を送られているレナ。 ずんずんと歩み寄っていって、ぺこりと頭を下げた。 「藤堂レナです。魔物使い。よろしくお願いします!」 少々緊張していて、言葉が慎重だ。 「丁寧ざんすねぇ。あたくしはメデ... 続きを読む

  • 290:聖地にやってきたトラブル

      ▽レナたちの帰路。 キラから連絡がある。 <マスター! 厄介な来訪者が……> 「えっなに?」 <空に白竜。オズワルドさん曰く、竜人族の血縁者らしいですね……ギルド長が竜の里に『ドラゴンNG』を伝えたはずです... 続きを読む

  • 291:グレイツの後始末

      シヴァガン王宮では、宰相が恐ろしい無表情で報告書を凝視していて、呼び出されたギルド長が頭を抱えていた。 赤の聖地に白竜が訪れて、レナパーティは撃退措置をしたのだという。 すでに「ドラゴンNG」の連絡がされて... 続きを読む

  • 292:スカーレットリゾートの相談

      「議題です」 <スカーレットリゾート一般開放計画> ドン!! とキラがウィンドウを出現させる。 施錠された会議室の半分を埋めるくらい大きなウィンドウ。映画用のスクリーンさながらである。音響もまさに「ドン!」... 続きを読む

  • 293:赤の女王様は私のもの(死活問題r)

    「称号[異世界人]について対処をしようと思っています。きっかけは、赤の女王様の観劇ですから、それを一番活用できるのが私たちでありたい」 レナがさもその通りかのように、称号の理由を語る。 「これもスカーレットリゾートに盛り... 続きを読む

  • 294:ギルティアの目覚め

    夕暮れがさらに更けて、夜がやってきたというのに。 赤の聖地のガーデンでは、レナたちがまだ頭を突き合わせてうんうん悩んでいる。 議論はもちろんギルティアの迎え方だ。 派手にパーティすべきか? 威嚇して強さを見せつけるところ... 続きを読む

  • 295:ギルティアの目覚め2

      ギルティアは一人部屋に立てこもっている。 与えられた部屋は、鍵を自由に開け閉めしてもいいと言うので、それならばとレナの目前で大きな音を立ててがちゃりと鍵をかけてやった。 それから扉の裏側でしばらく丸くなって... 続きを読む

  • 296:名残から見えるもの

      ギルティアは、拒絶と、本能による求めを繰り返している。 朝になってパトリシアとクドライヤからその報告を聞いたレナは、うーん、と顎に人差し指をそえながら唸った。 自分もどうにかしてやりたいとウズウズするけれど... 続きを読む

  • 297:悪意への相談IN森の中

    レナ、オズワルド、リリー、クレハ、イズミ、ロベルトが、|森の中(・・・)を訪れた。 ▽あれ? 本日は魔王国の会合の予定だけど…… 王都から近くて魔物も少ない、自然林よりは整えられた場所である。 サッとみんなで解散、周辺の... 続きを読む

  • 298:成長の水

      帰還したレナは、まずギルティアの様子を尋ねた。 ギルティアは相変わらず、幼くなったり反発したりを繰り返しているらしい。 今は、クリスティーナが側にいる。 食堂にやってきたパトリシアが「あの人ほんと女らしさっ... 続きを読む

  • 299:凍土の氷1

    ▽凍土へ行こう! 出かける前の夜、ギルド長グレイツと連絡を取る。 <チャラララッチャラ〜♪ ナンドデモ・ベル・カード〜♪> キラが新たに創造した、分身体をアレンジした魔道具。ファーストベルカードという一度だけ通信可能な魔... 続きを読む

  • 300:凍土の氷2

    広く氷に覆われた大地。ぽっかりと大口を開いた泉は、底が深く海にまでつながっているらしい。遠くには雪山も見えていて、雪山と凍土では過ごしている動物の種類が違うそうだ。 レナたちは目前にそれらを見た。 おおーと歓声が漏れる。... 続きを読む

  • 301:凍土の氷3

      雪豹たちが暮らしている山の隣にある分厚い氷は、もとは真冬でも凍らない泉であったのだという。 澄んだ水は雪豹たちの喉をいつだって潤してくれていたのだ。 「ここにしよう」 クレハが氷に人差し指を立てると、爪が赤... 続きを読む

  • 302:凍土の氷4

    ▽レナたちの採取がひと段落ついた。 「さて、そろそろ帰るとしますか。……あーー」 『白熱しているだろう?!』 カルメンが楽しげに手を叩く。 はるか空の上に白炎の花火が現れて、クレハの髪の毛先がパチパチと音を立てると|緋々... 続きを読む

  • 303:帰ってきたよ!

      レナたちが帰還したのは夜。 帰路はゆったりとしたスピードで(当社比)、なによりも安全に気をつけて空路を進んだ。 空賊退治の証と凍土の植物を、冒険者ギルドに渡したかったが、もう閉まっている時間帯なので諦めた。... 続きを読む

  • 304:真実の湖、ルーカとシュシュ

      「──うん、だめだ」 ルーカが疲れたようにため息を落とした。 湖面にため息が吹き付けて、はかない波紋となる。 水面は天井の水晶を映して、キラキラと光っている。洞窟はあたり一面、石壁から突き出た水晶の塊で構成... 続きを読む

  • 305:ルーカの視たもの1

      ルーカとシュシュが帰還したのは、一晩明けて、翌朝になってから。 シュシュがルーカをお姫様抱っこしている。 もう一度言おう、シュシュがルーカをお姫様抱っこしている。 いや、今までにももしかしたらあったかもしれ... 続きを読む

  • 306:ルーカの視たもの2

      異形の魔物モドキが、ルーカとハマルを襲ってくる。 夢の中に立ちながら、応戦するのに手一杯。 ルーカの夢の殻をつついたら、溢れるように出現したそれを二人は、ちぎっては投げぶん回しぶっ飛ばし光で焼き蹴飛ばして、... 続きを読む

  • 307:ルーカの視たもの3

      ──意外に思って、ルーカは澄んだ空気をおおきく吸った。 ガララージュレ王城のすぐ近くだというのに、濁った空気ではないのだ。 思わず隣を見る。 ハマルが見返してくる。 「殻の中なんだからさー、ルーカの心が反映... 続きを読む

  • 308:リリーと宝石水

      ──宝飾店メディチ。 店の工房内には、未だかつてないくらい大勢の職人たちがつめかけていて今やすし詰め状態である。 真ん中にぽっかりと人垣が空いており、乳白の髪となめらかな褐色の肌を保つ妖精姫・リリーが宝石と... 続きを読む

  • 309:七日目のギルティアと水

      ついにこの日がやってきた。 ギルティアが仮契約をしてから七日目の、朝。 与えられた部屋の隅で、ギルティアは丸くなっていた。 その隣にはクリスティーナが座り、スカートの端がきゅっと小さな指先に握られているのを... 続きを読む

  • 310:七日目のギルティアと水2

      ▽ギルティアが リビングにやってきた。 「いらっしゃい」 レナは和やかに迎える。 リビングの内装はありのままをギルティアに見せている。特別な飾りつけはしていない。 レナの服装も、お気に入りのブラウスと赤のス... 続きを読む

  • 311:どんな魔物になりたいの?インタビュー1

      ▽ギルティアの仕事が決定! 「みんなにインタビューしてきて欲しいの。どんな魔物になりたいのかって。ジレ、アグリスタ、マイラにね」 レナが人選を告げると、ギルティアはホッとしたように綿毛ボディをそよがせた。 ... 続きを読む

  • 312:どんな魔物になりたいの?インタビュー2

    ▽オラオラオラオラァァ!!!! ▽キラとリリーは 廊下を爆走中! お行儀が悪いって? ジョギングコースを新たに創造したから問題ないのである! むしろお行儀がいいまである! ジョギングコースは走るっきゃないよね! 軽やかに... 続きを読む

  • 313:どんな魔物になりたいの?インタビュー3

      おかしな進化先にされまいと、マイラとアグリスタは一生懸命に考えて、ギルティアに話した。 それは意外にもインタビューそのものになっていて、先輩従魔は笑いを堪えながらお菓子をつまんで見守っている。 小さなギルテ... 続きを読む

  • 314:ギルティアの異変

    「ギルティアお姉ちゃん?」 アグリスタがふと、顔を上げた。 青ざめている。 首をかしげたリリーが、抱えていたギルティアをふわふわと撫でても、ギルティアに異変はないが。 いや、返事をしない。 眠っているから……と流していい... 続きを読む

  • 315:報告・シヴァガン王国

      シヴァガン王宮内、宰相の執務室。 昼の日差しがうっすらと差し込むものの、書類の束が積み重なり室内は薄暗い。書類はそれぞれがきっちり整理整頓されている。欲しい内容のものを、宰相はすぐに蜘蛛糸を使ってたぐり寄せ... 続きを読む

  • 316:報告・シヴァガン王国2

      「聖霊対策本部としての話に移ります」 「「「はい」」」 さっくりと宰相が進めていく。 淡々と、必要なことを確認する。 「レナパーティが持ち帰った氷の聖霊。検査するために、赤の聖地にグルニカを送り込むことを相... 続きを読む

  • 317:狩りレベリング

    「「いやああああああ」」 草原を羊が爆走中である。 アグリスタとジレが悲鳴をあげ、ふんわりした羊毛にしがみついている。ぐわしっ、と引っ張るように掴んでも、鈍感羊はびくともしない。むしろ、生ぬるいと言わんばかりに速度を上げ... 続きを読む

  • 318:ジレ・アグ・マイラ進化

    「さーて。進化の前、自分でも戦っておくといいよ~」 「「ぱふぱふ~」」 森の広場で、ハマルとクレハ・イズミがやんややんやと声援をおくった。 やわらかい草の上に座り込んで、後輩の「戦い」を見守る気が満々だ。 「あとちょっと... 続きを読む

  • 319:ふつうの旅人

      ▽レナが レグルスの前に出た。 「大丈夫! です!」 かばうように両腕を広げている。 攻撃姿勢で走りこんできた男は、驚いたように立ち止まり、細い目を見開いた。 (冒険者っぽい。なんだか雰囲気が……アジア人ぽ... 続きを読む

  • 320:後輩三人の姿

      ▽赤の聖地に 帰還した。 「じゃあ進化していこうー!」 『『『お、おおー……』』』 レナが拳を天につきあげて、赤くなったジレ・アグリスタ・マイラもひかえめに挙手した。 ジレは太めの尻尾で、アグリスタは前足を... 続きを読む

  • 321:[小話]必要としてね?

      ジレ・アグリスタ・マイラが庭の片隅に集っている。 服装はそれぞれゆったりしたシャツとハーフパンツ。支給された「スニーカー」という靴だ。 トレーニング用の服に着替えているのは、三人がひっそりと「朝練」していた... 続きを読む

  • 322:スカーレット会議

      「幻覚会議……」 ギルド長が頭を抱えた。 シヴァガン王国の会議室のひとつに、宰相とギルド長のみがポツンと座っていたのだけれど。 どうやって遠方のレナパーティとの会議をするのかと思えば、まさかの、他の席にはレ... 続きを読む

  • 323:スペシャルメニュー

    「お米みたいなものを作ってみたのですが」 キラがそういうと、レナの反応は理想(・・)通りのものだった。 「オコメミタイナモノ!!!!」 目をキラキラとさせて、信じられない信じたい信じた! というように口を微笑ませた。よだ... 続きを読む

  • 324:ノアのお仕上げ

    「能力の仕上げをしたいです」 ノアがレナに訴えた。 これまではお世話になっているのだからという気持ちと生来の性格によって、言われた内容をおとなしくこなすことが多かったノアが、強く主張したのは初めてのことだ。 いや、当初強... 続きを読む

  • 325:ドワーフ鍛治工房による下見

    スカーレットリゾート予定地に、ドワーフ鍛治工房イーベルアーニャの親方とガルボがやってきた。 「呼んでくれてありがとよ。って、完成しとる!」 すでにそびえている建物群を見て、親方たちは目を剥いた。 見たこともない怪奇な建物... 続きを読む

  • 326:ドワーフ鍛治工房による交渉

    「もてなしてもらっちまって悪いなぁ」 串焼きをぱくつきながら、親方が言う。 「はふはふ、そうでふ、ごっくん。これ酒に合いそうです〜!」 「コロッケお気に召しましたか? はい甘酒」 「甘酒?」 こくこくとガルボが飲む。 ほ... 続きを読む

  • 327:ドワーフ王国カルドグラン

      ドワーフの王国、カルドグラン。 火山のふもとに位置する炎のように熱い国。 火口から流れるマグマの川では、毎日10000もの金属が溶かされている。形を変えられ、保冷庫で冷やされた金属は、武器や防具、日用品とし... 続きを読む

  • 328:鍛冶場のてつだい1

    「鍛冶場はここだあ」 レナたちが通されたのは、カルドグラン城の最上階。 火山側。 「火山の岩肌に沿うように建てられているとは思ってたけど……」 「お部屋の壁がそのまま岩なんてネ〜! キャー!」 走り出しそうになったミディ... 続きを読む

  • 329:鍛冶場のてつだい2

      「そんなパタパタ走ってたら、マントの裾が溶けちまうぞお。……溶けてねえ!?」 レナがあちこち動くたびにひらひらしていたマントを横目で見たドワーフ王が、あんぐり口を開く。 舞った灰のことを注意しようとしていた... 続きを読む

  • 330:カルメン元気騒動

    スカーレットリゾートに戻ってから、数日。 どっかーーーーん!……と、早朝の派手な音。これにはみんなが目を覚ますしかない。 カーテンを開けると、花火(・・)のきらめきが眩しすぎる。 『おはよう!!!!』 ▽カルメンが 現れ... 続きを読む

  • 331:ギルド職員がやってきた

    スカーレットリゾートにて、レナが花の植え替えをしていると、入口の方にギルド職員が現れた。 会ったことがなくてもギルド職員だと分かったのは、制服をこれでもかと正統派に着こなしていたからだ。 シヴァガン王都冒険者ギルドの制服... 続きを読む

  • 332:白竜便と光の道

    白竜に乗りこむレナパーティの手際がよい。 慣れている。 大型で翼のある飛行体、という共通点があれば、必要最低限のスライムシートベルトを施して風の抵抗は魔法で緩和する。 さらに上昇の魔法をかけて白竜の飛び立ちをサポートまで... 続きを読む

  • 333:凍土の深みへ

    ▽凍土に ついた。 ひんやりした空気にレナたちもブルリと震える。 特製の防寒着があるからこそこの程度で済んでいるが、はるか下は冷気が渦巻くような極寒の地で、そびえたつ氷山がまるで口を開けている竜のように見えるほどだ。 そ... 続きを読む

  • 334:凍土のラビリンス

    「ここが……凍土のラビリンス」 レナが感嘆の息を吐いた。 それすらも白く染まって、ふわりと漂う。 「綺麗……!」 透きとおる薄青の氷の大地がどこまでも続いているかのようだ。広い空間に、まるで雲が地上に降りてきたみたいな、... 続きを読む

  • 335:凍土の聖霊と古代の信者

    氷の聖霊はずっと大地に閉じ込められていていやだった。 自分を覚えている者がいなくて、存在すらあやふやなのがいやだった。 いや、はこわい、と似ているとレナは思っている。 怖いことを怖いと表現できないとか、直視したくないとか... 続きを読む

  • 336:ラビリンスは夢の中1

    ラビリンス<|氷の楽園(アイス・ヘヴン)>が眠りについた。 白夜が青白い光をそそぐ神秘的な光景はそのままに、風はやみ、氷はきしみ一つ上げず、植物が震えこともない。 やんわりと瞼を閉じてレナたちが眠っている。 真っ黒い怨霊... 続きを読む

  • 337:ラビリンスは夢の中2

    ハマルが誘(いざな)った夢の世界に、レナ、リリー、ギルティアが新たに現れている。 [レム睡眠]の効果で浅い眠り状態となることは夢をみるのに適しているのだ。 三人は、うとうととしながらふんわりと足を浮かせて、この夢の世界の... 続きを読む

  • 338:ラビリンスは夢の中3

    聖霊杯が見えている! レナのすぐ目の前だ。 あの強い意志があればハマルの指示がなくともレナはそれなりに動けるはずだった。 しかし、聖霊杯をとるために前進するのではなく、大きく後退した。 右手に鞭、左手にリリー。 レナの手... 続きを読む

  • 339:ラビリンスは夢の中4

    ハマルは、夢の世界がじわじわと侵食されて自分の手を離れていくような感覚を必死につなぎ。 キラは、この場に現れた冷気が、目覚めている方のラビリンスから無理やり持ってきたものであると分析した。 夢と現実の境目がぐちゃぐちゃだ... 続きを読む

  • 340:”今”の凍土

      ▽ラビリンスが崩壊した。 脱出したレナたちは、光の中をリリーに支えられて一生懸命に上空に昇っている。 「んしょ……。!!」 天使族たちの[上昇気流]によって飛行が助けられた。ともにレナに腕を伸ばして、リリー... 続きを読む

  • 341:”今”の凍土2

    ラビリンスと前凍土が混ざり合った、新たな大地が誕生した。 その名は<|氷の楽園(アイス・ヘヴン)>。 ルーカが高らかに説法すると、集まっていた動物たちはポカンと口を開いていたが、一呼吸おいてから『ガウガウガオーーン!』と... 続きを読む

  • 342:”今”の凍土3

      森林を再生してここでの活動は完了と思ったら、雪豹が一頭と、氷の精霊がいなくなった。 どうなっているのやら? レナたちは様子を見守ることに決めた。 ▽キラウィンドウで! ▽大画面には精霊の後ろ姿が映っている。... 続きを読む

  • 343:雪山のイエティ1

    レナたちは針葉樹の森林を出て、湖にやってきた。 ぽっかり開いた湖面の近くには、白竜と天使族の姿はない。 「あー……もし時間ヤバかったら帰っていいですからね、って言ったもんね。うん言った。……だけどそれは天使族の方に対して... 続きを読む

  • 344:雪山のイエティ2

      イエティはあとずさり、背後の雪山に背中をつけてしまって、頭を抱えた。 氷の精霊がとても大切な存在であることは本能的にわかるが、だからといって200年引きこもっていたコミュ障にとって、初対面で朗らかに挨拶をす... 続きを読む

  • 345:進化の障害

      エントランスで熟睡してしまい、ようやく昼前に目覚めたレナは、半分ほどの従魔がここにいないと気づいた。きょろきょろすると、中央の噴水上にキラウィンドウが浮いている。 抱きしめて眠っていたはずのキラはいない。魔... 続きを読む

  • 346:「神使い」の称号を得よう!

    これまで長らく旅をしてきた。 その間、できないことが多くてたくさん涙してきた。そしてレナパーティは強くなった。主人のメンタルも、従魔の戦力も、周りとの人脈も、運も。 エントランスホールに従魔を集めたレナは、言い放った。 ... 続きを読む

  • 347:キラとハマルの進化舞台

    「レアクラスチェンジ、ひっそりやるか、ドカンとやるかー?」 「ってとこなんですよね」 ハマルとキラが神妙に打ち明けたかと思えば、これであった。 かまえていたレナはずっこけてしまった。 「ドカンて」 「あ、ドカンの方行っと... 続きを読む

  • 348:古代の夢とラビリンスキューブ

    ラビリンスキューブが鼓動している。 とくん、とくん、とくんと。 カルメンはそのすぐ側で瞳を瞑っていた。 するとカルメンは、古代の夢を見た──。 焼ける炎の大地にぼんやりと半透明で立っている。 赤と金色が混ざった炎がこのよ... 続きを読む

  • 350:一ヶ月後の目覚め

      ▽キラから 説明を聞こう。 <スカーレットリゾートの運営は無期限延期としております。その間にドワーフ族に監修してもらい建物のチェックなどを完璧にして、雑草が生えたりしないようにガーデナーのみなさんが環境整備... 続きを読む

  • 351:主人のいない時

      時は少しさかのぼる。──1ヶ月前。 光に包まれたレナが、倒れてしまったあとのこと。 聖霊杯とラビリンスキューブは消滅していた。レナの手のあたりに光が収縮すると、はかなく消えてしまったのだった──。 その光景... 続きを読む

  • 352:主人のための部屋作り(解釈様々)

      ▽それぞれの ルームコーディネートが 完成した! 「キラはいいの?」 <……ちょっと……何も……出てこなくて……エラーが発生しました──> 『考えすぎはよくないよ!』 にぱっと笑顔のリリーこそ真理であった。... 続きを読む

  • 353:一ヶ月ぶり(レグルス視点)

    (レグルス視点) レナ様がお目覚めになった。 そのことは従魔契約魔法が復活したことで、全従魔に周知されたことだろう。 やばいだろうな。 どいつもこいつも阿鼻叫喚に違いない。俺もだ。 スーーー、ハーーー…… よし。 何もよ... 続きを読む

  • 354:レナもダンジョン行きたいもん!!

      (ドリュー視点) この腑抜け猫娘(レグルスゥ)!!!! レナさんに会いたかったのはわかるけど骨抜きにもほどがあるって。 それからさー、 「勝手に決められちゃ困りますよ……ミッションは魔王国司令ですし。という... 続きを読む

  • 355:ヴァーチャルレナとオズワルド

    キラによって、赤の聖地と魔王国のモニター通話が実現している。 その範囲外でものすごい音がしたのは、おそらくオズワルドが椅子から落ちたりしたのだろう、と思われたが…… (グルルルってすごい獣の唸り声。魔王様みたいな……) ... 続きを読む

  • 356:怒涛のお支度とジレ

    「オズワルド坊ちゃんも来るとなるともうしばらくかかりそうですね。攻略の説明をさせていただいても?」 「ドリューさんがしっかりしてる……!」 「恐縮っス」 ドリューも、レナも、それぞれの段取りを頭の中にめぐらせている。 レ... 続きを読む

  • 357:魔王に乗っていこう出発準備!

      海底ダンジョンまでは魔王ドグマの背に乗っていくことにした。 早く着きたいし「魔王様はそのお姿で狩りに行くこともあるので」と宰相が許可したためである。 「すっごく大きいですー!」 初めて魔王国を訪れた時とまっ... 続きを読む

  • 358:ダンジョンに行ってみよう!

      [ダンジョン:深海の遺跡]──通称:海底ダンジョンは港の近くにある。 ジーニアレス大陸の東の端、オフロウ岬にそびえるように立っている苔岩が目印だ。 高さは約30メートル、巨大な卵型で、しかし重さはなんと”ゼ... 続きを読む

  • 359:ダンジョン前の噂

    [海底ダンジョン]──侵入。 巨大な苔岩に空いた「穴」に手を触れさせると、吸い込まれるように中にゆく。 ダンジョンへの侵入は、ラビリンスに似ている。 おかしな浮遊感と、空間を移動するときの肌が引っ張られる感じ。産毛がそわ... 続きを読む

  • 360:VS巨大海賊亀

      「さあコンビネーションで行……っ」 レナが目指していたのは、オズワルド・レグルス・ジレの火力。 当初の目的通り、海水を蒸発させるほどの高火力で海底ダンジョンを突き進むつもりである。 しかし、言いよどんでぐっ... 続きを読む

  • 361:クラゲランタン

    ワープした地下25階。 先ほどよりもさらに薄暗くて、潮の香りが濃い。 ひんやりと底冷えするような空気は地底湖を思わせる。保温と耐水のローブを羽織っていなければ、レナは体調を崩していただろう。 足元はとても細やかな砂で、わ... 続きを読む

  • 362:ダンジョンマスター

    ワープした地下25階。 先ほどよりもさらに薄暗くて、潮の香りが濃い。 ひんやりと底冷えするような空気は地底湖を思わせる。保温と耐水のローブを羽織っていなければ、レナは体調を崩していただろう。 足元はとても細やかな砂で、わ... 続きを読む

  • 363:地下30階の出会い

    「はあ……はあ……」 ▽レナは 満身創痍だ。 ▽連続ワープきついって。 「でもなんか慣れてきた。扉の向こう側にいけそう……」 「なりませんよマスタァー! しっかりして! 貴方が|ドエム(・・・)になっちゃったら配下が悲し... 続きを読む

  • 364:逃亡者から追うものへ?

    砂を巻き上げながら走る。 レナとキラは火炎獅子に、ジレはデス・ハウンドに乗っていて、ドリューは魔王に担がれていた。 重たい砂がジャリジャリッと音を立てて、壁に撒き散らされていく。 炎の魔物が走っているので、空気がじゅわり... 続きを読む

  • 365:目的発見!

    「カルメーン!」 すこし高飛車で伝えることに全振りしたような声が、ポーーンと飛び込んできた。 「ゲホッゴホッ」 肺を頑張らせすぎて噎せたようだ。 レナらしい。 じゅわりと溶けた岩の壁の向こうで、カルメンはようやく自分の存... 続きを読む

  • 366:ダンジョンマスター捕縛

      カルメンとの[仮契約]の懸念は二つあった。 聖霊であるのに契約できるのか。 レナは耐えることができるか? 希望があるとすれば…… カルメンが聖霊の”半分”であること。 レナが白炎聖霊の司祭であること。 あと... 続きを読む

  • 367:神未満と話し合い

      「まさかあなたが、あの、光の人型の中でもまとめ役のような、どっしり構えていたその人だったなんて……比較的尊敬していたのに……」 「やめろおおお!そんな目で見るなあああ!」 「見られないとでも思っていたんです... 続きを読む

  • 368:ドリューの成長

      試練は人を成長させるという。 (だからってこんなに次々と死に物狂いの試練を入れてくることなくない!?)──と世界に悪態をつきながら、ドリューが進化を遂げる。 まさかの魚護人(マーマン)になったうえでのさらな... 続きを読む

  • 369:イカゲッソー!

    ▽しまった!? 岩場が崩れてきた! 「はりきってしまった」 「この野郎!!!!」 下は渦潮(うずしお)。 さきほどの海水の流入はまだ収まっておらず、ごうごうと水が流れている。ダンジョンの再構成が行われるまでしばらくこのま... 続きを読む

  • 370:杯の片割れ

    海底で降り積もった砂などとともに塊になっていた”白炎聖霊杯”が、ようやく取り出された。 見た目はみすぼらしく、これを磨いて輝かせてようやく、カルメンの時のように人型として現れることができるのだろう。 今できるのは、声を届... 続きを読む


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